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痛む体を引きずりながらリビングに降りると、トミーとAがくっつくようにソファーに座って喋っていた。


「…でさ、そん時アイツがめちゃくちゃにビビってんの!」


「なにそれ見たかった!もー、トミーなんで呼んでくれなかったの!」


「仕方ないじゃんA寝てたんだから_」


お互いの顔を見て楽しそうに喋る2人の姿を見て、いつも以上にイライラしてしまう。なんだよ、こっちは夜遅くまで編集頑張ってたのに。
そのまま声もかけずにキッチンに立ち、目覚ましにぬるい水道水を煽る。


「…カンタ?起きたんなら言えよ、びっくりするじゃん。」


こちらに気付いたトミーがそう言って笑いかけてくる。それすらも何だか見下されてる気がして鬱陶しかった。


「…うん、ごめん。」


一言言ってリビングを出ようとすると、視界の端に肩をすくめるトミーが見えてわざと扉を乱暴に閉めた。




自室での作業を終え、撮影部屋に入ると、トミーとAがいつもの様にじゃれ合ってふざけていた。
何もしてないはずなのに体全体に走る倦怠感と、やけに広く感じる撮影部屋の広さから、直ぐにこれが夢だとわかった。


「夢の中なら、なあ。」


普段心の奥底に沈めていた嫉妬や羨望がじわじわと浮き上がってくる。
トミーだけずるい、なんで俺だけこんな思いをしないといけないんだ、なんで俺じゃダメなの、なんで、なんで、なんで。
Aが死んだら、俺のものになってくれるのか。


夢の中なのに涙がボロボロと溢れ出してきた。ちゃんといい子にするから、どうか今だけは許してほしい。


都合よく床に落ちていたハサミを拾って、今も尚談笑し続けているトミーとAに近づく。


「カンタ?」


ハサミを振り下ろした瞬間、Aは俺の名前を呼びながら振り返って笑顔を見せた。
それに怯んで彼女の心臓を狙ったはずのハサミは彼女の手の甲に当たる。
みるみるうちに彼女の顔が歪んだ。手には大袈裟な程の量の血が出ていた。


「ごめんね、ごめん。許して。」


延々と謝り続けているうちに、意識が薄れていった。


「……」

目が覚めたのは、リビングのソファーだった。お腹には毛布がかけられている。誰がかけてくれたのだろうか。ソファーには涙の跡が点々と付いていた。

悪過ぎる目覚めに、しばらく日記をつけるのも忘れて呆然とする。


「…あれ、起きた?」

リビングに入ってきたAを見て、思わずびくっと反応してしまった。


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杉猫(プロフ) - リク話ありがとうございます!もこ坂可愛い。゚(゚´▽`゚)゚。消しゴムの顔が思い浮かぶくらい可愛いお話ありがとうございました! (2019年6月12日 18時) (レス) id: 04ecf5769a (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - Mai Yさん» リクエストありがとうございます!がんばります! (2019年6月8日 19時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
Mai Y(プロフ) - トミーのヤキモチをリクエストしたいです! (2019年6月7日 21時) (レス) id: bc7e167811 (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - 桃さん» リクエストありがとうございます!エイジくん初挑戦、がんばってみます! (2019年6月5日 20時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - リクエストお答えありがとうございます!めちゃくちゃ良くてキュンキュンしました!これからも更新頑張ってください! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ハクビ | 作成日時:2019年5月21日 19時

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