地獄で逢おうぜ カンタ(ななみ 様リク) ページ25
愛情表現の話です
くらめ
*この話には元ネタがあります
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私の投げた枕が、彼の肩あたりにぼふっと当たる。
『私だけ好き好き言ってバカみたいじゃん!』
只今絶賛彼氏と喧嘩中。
理由は至極簡単、『カンタくんから好きと言われたこと、まだ数回しかない説』。
…我ながらしょーもない。重い女って絶対思われてる。でも、不安。
『…ねえ、カンタくんって私の事ホントに好き?』
どうしようもなく、不安なのだ。
元々彼はあんまりベタベタするタイプじゃなくて、連絡も会う時だけ、甘い言葉を囁くなんてもってのほか。
いつか捨てられるんじゃないか、って思いがずっと心の端にある。
『わたしっ、は。カンタ君のこと、ほんとに好きなのに、』
『カンタくんは全然っ、そんな素振りも見せてくれなくてっ…』
言葉が詰まって、上手く出てこない代わりに、涙だけがぽろぽろと零れ出す。
ほらみろ、カンタくんが困ってるじゃないか。
ほんとめんどくさい、やだ。
『カンタくんの傍に、ずっと一緒にいたいのに…っ、』
「じゃあ、一緒に死ぬ?」
『…へ、』
カンタくんは困ったような笑顔のまま続けた。
「死んだら、多分永遠に一緒だよ。」
『…いいの?』
「いいよ。」
同じお墓に入ろう、なんて笑顔で言う彼にゾッとした。
私はまだ、彼のことをまだ何も知らないのかもしれない。
カンタくんは私の横に腰掛けると、飲みかけでぬるくなったコーヒーを飲み干す。
『…普通は、一緒に生きるとかそういうことを言うんだろうね。』
「だね。」
『…カンタくん、私が死ねって言ったら死ぬわけ。』
カンタくんがやけに普通な、いつも通りの笑顔でこちらを見据える。
「死ぬよ。Aの舌を噛み切ってからね。」
『…痛いのはやだな。』
「じゃあキスで窒息死させてあげる。」
あ、やば、編集しなきゃ。そう言いながら立ち上がったカンタくんに私は声を投げかける。
『…天国でまた逢えるかなあ、私達。』
カンタくんは振り返りもせずに言った。
「俺達悪い子だから、きっと地獄にしか行けないよ。」
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リクエストなのに暗い話になりすぎ 反省の意を込めてもう1話分書こうと思います
リクエストありがとうございました。
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杉猫(プロフ) - リク話ありがとうございます!もこ坂可愛い。゚(゚´▽`゚)゚。消しゴムの顔が思い浮かぶくらい可愛いお話ありがとうございました! (2019年6月12日 18時) (レス) id: 04ecf5769a (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - Mai Yさん» リクエストありがとうございます!がんばります! (2019年6月8日 19時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
Mai Y(プロフ) - トミーのヤキモチをリクエストしたいです! (2019年6月7日 21時) (レス) id: bc7e167811 (このIDを非表示/違反報告)
ハクビ(プロフ) - 桃さん» リクエストありがとうございます!エイジくん初挑戦、がんばってみます! (2019年6月5日 20時) (レス) id: 17afb1acf0 (このIDを非表示/違反報告)
かのい(プロフ) - リクエストお答えありがとうございます!めちゃくちゃ良くてキュンキュンしました!これからも更新頑張ってください! (2019年6月5日 17時) (レス) id: 1702f55027 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ハクビ | 作成日時:2019年5月21日 19時