26.草太side ※ここから先、原作とは全く違う展開になります。ご承知おきください。 ページ28
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──
───
─────
意識が遠のいて、身体が冷えきっていく。
───まだ、生きていたい。でも、受け入れるしかない。
Aに想いを
「⋯さん、⋯草太さん⋯!草太さん!!」
──────なのに、遠くなっていくはずの鈴芽さんの声は、なぜか次第にはっきりと聞こえてくる。
「───!!」
思いきり体を起こすと、俺は元の人間の姿に戻っていて、横には鈴芽さんの子ども椅子が転がっていた。
「⋯草太さん!よかった⋯!!」
鈴芽さんは涙目になっていて、俺の手を握っていた。
けど俺は、元の姿に戻れて安心もできず、嬉しさも込み上げてこなかった。
─────胸騒ぎがする。
視界には意識が遠のく前と変わらず、ミミズが空を覆い尽くしていて、ゆっくりと街に落ちていこうとしている。
「鈴芽さん、要石はどこに─────」
視界に映ったのは、ミミズの端で静かに座るダイジン。
変わらず白い
こいつは要石に戻っていない⋯!!
なら、俺はなぜ──────
その時──────頭の上に大きな黒い猫のような影が横切った。
影は一瞬で見えなくなって、代わりに、俺の手元に何かが落ちてきた。
それは、綺麗な藍色でできた、猫に似た形の小さな石像だった。
「それ かなめいしだよ」
ダイジンは俺たちの横に降りてきて、そう言った。
「それ Aっていうひとだった」
────耳を、疑った。
「ダイジン、あんた⋯!!」
鈴芽さんの怒る声が聞こえる。
手元の石像は冷たくて───Aの目のように、綺麗な藍色で出来ているけど、Aだって確信はない。
でも────なぜか分からないけど、これはAだって、言われてすぐに分かった。
ひんやりとした温度が手から伝わって、視界が滲んでいく。
『────草太、』
聞こえないはずの声が、頭に響く。
「かなめいし、みみずにささないの?みみずがおちるよ、じしんがおきるよ?」
「⋯」
「ひとがいっぱいしぬねぇ」
A、俺は────どうすれば⋯っ
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しろりん(プロフ) - って事かな?すごく気になる!(芹澤くんも夢主ちゃんの事…好きなのかな?)夢主ちゃんが助かりますように…更新頑張ってください!(。>ㅅ<)✩⡱ (4月22日 14時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
しろりん(プロフ) - 最高です…!草太くんが早い段階で人間に戻って鈴芽ちゃんと一緒に夢主ちゃんを救う為に中盤以降も旅をする』って、パターンは初めて読みました…!と、いうことは草太くんもこれから、お爺さまに会いにいったり芹澤くんとの絡みも増える… (4月22日 14時) (レス) id: 2a6843f9ca (このIDを非表示/違反報告)
ムスメ3(プロフ) - 待ってました!!!!ご自愛してね (6月19日 0時) (レス) @page31 id: fcb0ec653e (このIDを非表示/違反報告)
ネコ型ロボットだけど人っす(( - いや〜、主人公ちゃんが要石になってしまった…、こんなストーリーもいいもんですね!作者さんすげぇ、自分はこんな凄いの書けませんよ、そもそも思いつきすらしませんww私は書くよりも見る派なので!(?)これからも頑張ってください!応援してます! (2023年4月4日 16時) (レス) @page31 id: 3d37e04deb (このIDを非表示/違反報告)
RENA(プロフ) - すきです!!更新されるのを楽しみにしてます.がんばってください! (2023年2月5日 23時) (レス) @page31 id: a8ec99ccfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:萌娜 | 作成日時:2022年11月27日 21時