オトナノヒト 【数原龍友】

33 ページ33

__________




「えっと、ここからタクシーで10分くらいだからひとりで帰れるよ」

亜嵐「そんな近かったの？」

「○○らへんで…」

亜嵐「え、俺もそのへんだよ。道路挟んでコンビニ2つあるとこ」

「へっ、私ローソンの横のマンション！」

亜嵐「ええ？じゃあ俺と反対側のマンションってこと？」



でも会ったことないよね？って言うけど
そんなのいちいち分かんないよ。


龍友「なになに、運命？(笑)」

「そんなんじゃないよ、たぶん」


どうせなら龍友くんと運命がよかった、
なんて。



亜嵐「運命運命(笑)じゃあ俺が送ってくよ！龍友くん方向反対だもんね」

龍友「あー…じゃあお願い」


ちらっと私の方を見て、亜嵐くんを見るから
今の顔はなに？何か言おうとした？って気になってしまう。



龍友「Aちゃん、またね」

「またお店、絶対来てください。あ…今日は、ありがとう…。」


まだ慣れないタメ口に戸惑う



龍友「今日、仕事終わったら行くわ」

「ほんと！？」


まさかの言葉で、嬉しくて


龍友「声でか。笑」

「あ、ごめん」

龍友「ん、まってて」



また、そうやって優しくぽんぽんって
頭を撫でてくる



龍友「じゃ、亜嵐くんお願いね」

亜嵐「任せて〜」


駅のタクシー乗り場で、龍友くんとバイバイする。

龍友くんは後ろのタクシーに乗って帰るんだろな
亜嵐くんと二人になっても龍友くんで頭がいっぱいで

私、知らないうちに引き込まれてる
龍友くんの魅力に。


まだ何も知らないけど、胸が踊ってる


これからの苦しい思いなんて、私は知らない

34→←32

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す