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ツナマヨ、 ページ15

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ふ、と目が覚めた。

白い天井と、規則正しい機械音。





ひどく重い体と、ぼーっとする頭。









「……お、目覚めた?」

「…五条、せんせ」

「あー起きなくていいよ、君死にそうだったんだから。1週間も寝るなんて若いよねぇ」









ウケる、なんて言葉とは裏腹に、五条先生の目は何故か悲しそうで。

私の頭をひと撫ですると、小さく笑った。









「……無理したらしいじゃん、A」

「……、」

「僕は君に死なせるために稽古をつけてたわけじゃない」

「…!分かってます……、すみません、」

「……怒ってないよ。行くのが遅くなってごめんね。棘を、みんなを守ってくれてありがとう」









その言葉に、思わず涙が流れた。

(そっか、私……助けられたのかな)





私も、守りたかった。

大切な人たちを。






きっと、ただそれだけで。






死にたいわけじゃなかった。

むしろ、死ぬのは怖かった。






だけどそれよりずっと、失うことの方が、恐ろしくて。









「私っ、」

「……A、無理に一人になろうとする必要はないよ。大事な人を失うのは怖い。それは僕だって同じだから」









切なげに、瞳が揺れて。









「怖くていいんだよ、A。……君を失うのは、僕だって、棘だって怖いんだから」









バン!と大きく音を立てて開かれた扉。

私がビクリと肩を揺らすも、五条先生は知っていたかのように笑っていた。









「速いね〜、棘」

「棘くん、!?」

「…っ、明太子……!!」









バタバタと勢いよく走ってきた棘くんが、私を勢いよく抱きしめる。









「わっ、」

「んじゃ、後は若いお二人で」

「ちょ、待っ……!」









ゆらゆらと手を振って部屋を出た五条先生。

私と棘くんだけになった空間で、ただ彼が生きているという温もりを感じていた。









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設定タグ:呪術廻戦 , 狗巻棘   
作品ジャンル:アニメ
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ノω・、) ウゥ・・・ - 面白かったァ(´;ω;`)後日談求む (4月27日 16時) (レス) @page19 id: 6fd33d2e78 (このIDを非表示/違反報告)
花瓶 - この小説一気読みしました!すごくおもしろいです!!もう真夜中に泣いちゃいました、、、(´;ω;`) (2022年3月19日 23時) (レス) @page19 id: 0f43647906 (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 凛櫻さん» ありがとうございます!素敵だと言っていただけて感無量です!コメント本当にありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
日向(プロフ) - 癒姫さん» わああ泣いてくださったとは…!そう言って頂けてとても嬉しいです!コメントありがとうございました…! (2021年1月23日 22時) (レス) id: 518bab79dd (このIDを非表示/違反報告)
凛櫻 - 完結おめでとうございます!素敵な作品をありがとうございます! (2021年1月23日 14時) (レス) id: c829f486b3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:日向 | 作成日時:2020年12月27日 21時

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