一緒に恋をしませんか？【宇髄天元】

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「はあ〜、……今日の宇髄くんも最高だったわ」
「ちゃっかり不死川くんまで見れたし今日はついてる、代謝上がる最高」
「おめでとう」
「本当にAって冷めてる！宇髄くんかっこよくない？！」
「あ〜うん、そうだね」
「今日も棒読み激しい。まあ、でも付き合いたいとは思わんよね。女遊びが激しいって噂だし」
「それ。ああいうのは見てるのが一番。見てるだけで肌のハリ上がるし痩せるし、私たちの大優勝」
「意味わかんないよもう」


　高校に入学してあっという間に二年生になった。これまでの短い人生の中で、並大抵に少女漫画を嗜んでは来た。かっこいい、と勿論私も思ったことはたくさんあるし、胸が高鳴り踊る、あの高揚感も経験した。けれどまだ恋という恋を楽しんだことはない。
　恋をすると人は大きく変わるという。外見を今までよりも気にするようになったり、それは言動もそうで、言葉遣いとか女の子らしい仕草とか。好きな人を考えて、苦しくなって、でもその苦しさですら堪らないぐらいに愛おしく思う。
　そんな、恋をしないとわからない感情を知りたい反面、知らない方が幸せなんじゃないかと正解のない問いを考える時がある。


「まあAは天然記念物みたいなとこあるからね。私たちが国に代わって保護しないと」
「たしかにたしかに」
「何言ってるの本当に」


　「Aはそのままでね」と肩を押される形で、私たちは教室を出た。





────一緒に恋をしませんか?

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