ベタベタ １５日目 ページ39
「あなた、だぁれ？」
私が起き上がると、トガちゃんがベッドの側にいた。
トゥワイスさんの姿はない。いや、そんなことよりも。
「私の、おともだち？」
トガちゃんの様子がおかしい。様子というか、しゃべり方？
なんだか幼くなってしまったような、そんな感じ。
「おねーちゃん、私とあそんでくれるの？」
その言葉に、違和感を覚えた。
......おねーちゃん？そう、この言葉だ。
私とトガちゃんは同じ年齢だ。見た目もたいして違いはないのに、おねーちゃんはおかしい。
おねーさんならまだわかるけれど、“ちゃん”はおかしいだろう。
「トガ、ちゃん？」
自分でもビックリするぐらい掠れた声が出た。
それだけこの現状に戸惑っている、ということだろうな。
なんて頭では冷静に考えているけれど、体は言うことを聞かない。
「私のこと、わかる？」
嫌な汗が出てきて、声が震える。
そこでトガちゃんから帰ってきた答えは...
「おい、起きろ！」
私はトゥワイスさんの大きな声で目を覚ました。
...今のは、夢？
起き上がった私の背中は汗でうっすら濡れている。
「魘されてたな
気持ち良さそうだったから起こしたくなかったぜ」
私は相当魘されていたらしい。
あの夢のことが現実になってしまったら、そう考えるとベッドから一歩踏み出せなくなる。
行かないと、行ってトガちゃんの様子を確認しないと。
そう分かっているのに、動けない。
トゥワイスさんが心配そうに顔を覗き込む。
「大丈夫か？」
トゥワイスさんは私が動けないことを察したのか、スッと立ち上がり部屋を後にした。
そして、トガちゃんをつれて戻ってくる。
眠たそうに目をこするトガちゃん。寝起きなのだろうか。
そんな呑気なことを考えているけれど、私の体は凍りついたように動かない。
トガ、ちゃん... そう声をかけたい、けれど私の口からは乾いた音しかでなかった。
どうしようもできなくて、私は下を向く。
その時、私の頬に手が添えられた。
この手は...
「トガちゃん？」
今度はちゃんと声が出る。
「うん、そうだよ！
Aちゃん、寂しい想い、させちゃってごめんね」
トガちゃんが私の名前を呼んでくれた。その事実だけで、涙が溢れてくる。
記憶、戻ったんだ。 正確には、思い出しただろうか。
私が流した記憶がきっかけになって、思い出せたんだろう。
「記憶がぶわーって流れてきてね？
最初は、誰かわかんなくて でも私といつも一緒にその子がいて
胸が苦しくなってきて、思い出さなきゃって思ったの」
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鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます！トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です！ (2020年8月21日 21時) (
レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です！、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます！トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです！ (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鈴蘭 | 作成日時：2018年9月19日 23時
