検索窓
今日:31 hit、昨日:2 hit、合計:42,652 hit

ベタベタ 過去終了と宣言 ページ33

私はトガちゃんと出会い、魅力に惹かれていった。


恋愛的な意味じゃなく、人間として?


しかし、私の過去のことはトガちゃんには話していない。


この事を知っているのは、死柄木さんと黒霧さん、そして先生だ。


あと、今扉のところにいる、いつも情報をくれるあの人。


名前は確か、戦慄さん、だったかな。


私の記憶の中心はトガちゃんだから、この人の名前はうろ覚えだ。


この人は、情報通だから色んなことを知っている。


だから、時々お父さんのことを聞いたりしていた。


絶対にもう会いたくなかったから。


この世からいなくなってればいいと、そう思っていたから。


けれど、人生には幸せばかりじゃないらしい。


トガちゃんに出会ってしまった私は、同じくらいの苦しみを与えられてしまうようだ。


まだ可能性の話だけれど。


「事件のあと、見つからなかったAちゃんのお父さんが見つかった

 俺の情報だから正しいよ で、どうするの?

 個人的にAちゃんの味方をしたいんだけど」


戦慄さんはそう言いながら私に近付いてきた。


トガちゃんが警戒体制にはいるのがわかる。


ああ、戦慄さんと会うときは何故だか毎回、トガちゃんがいなかった。


初対面の相手を警戒するのは基本だから。


でも、この人は悪い人じゃない。


私にとって、だけれど。


「トガちゃん、この人は大丈夫

 それで戦慄さん 私の味方をしたいけどってどういうことですか?

 できなくなるかも、そういうことですか」


目を見て質問をすると、戦慄さんはゆっくり頷いた。


「君のお父さんは裏社会にも手を出し始めてる

 情報を持っている奴、例えば俺とかにもうすぐ届くかも

 無理矢理記憶を見られるかもしれない 俺弱いし」


戦慄さんはそう言いながら笑う。


お父さんはいつからか、“個性”を使うことにもためらいがなくなっていた。


そして、裏社会に片足を突っ込み、私を...


「戦慄さん、私は正直あの男とはもう会いたくないです

 でも、来てしまったらしょうがないから

 あなたのことを責めたりはしません 私はあの男をこの世から......」


私は戦慄さんにそう宣言した。


隣で聞いていたトガちゃんも、荼毘さんもトゥワイスさんも驚いている。


普段の私なら、そういうことは絶対言わないから。


けれど、死柄木さんはわかっていたようで驚いてはいなかった。


そう、私は、お父さんに会ったら、


「この世から消し去ります

 すべての記憶を奪って、精神を壊して、苦しませてから」

ベタベタ 10日目→←ベタベタ 過去編3



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.8/10 (58 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
53人がお気に入り
設定タグ:トガヒミコ , ベタベタ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

鈴蘭(プロフ) - ゆいなさん» コメントありがとうございます!トガちゃんが大好きな方にそう言ってもらえて光栄です! (2020年8月21日 21時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
ゆいな(プロフ) - トガちゃん大好きなので最高です!、 (2020年8月15日 23時) (レス) id: ec54d11116 (このIDを非表示/違反報告)
鈴蘭(プロフ) - 月雪桜@歌い手好きさん» コメントありがとうございます!トガちゃんの魅力が伝わっていて安心しました。次回作、何を作るかはわかりませんが読んでくださると嬉しいです! (2018年11月20日 22時) (レス) id: f42ad491f0 (このIDを非表示/違反報告)
月雪桜@歌い手好き(プロフ) - とてもトガちゃんの魅力が表にでていて(ヤンデレ的な意味も含めて)とても良い作品だと思いました!完結おめでとうございます!とても面白かったです。次回作も期待しております! (2018年11月20日 22時) (レス) id: ada51b0201 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:鈴蘭 | 作成日時:2018年9月19日 23時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。