【ヒロアカ】今日もトガちゃんと【トガヒミコ】

ベタベタ　６日目 ページ11

「暇です！遊びにいこう!!」


ある日のこと。


トガちゃんが突然大きな声をあげた。


私はちょうどトガちゃんの隣に座っていたから、とっさに耳を塞ぐ。


...驚いた。


死柄木さんもお前なに言ってんだ、という目でトガちゃんを見る。


そんな視線に気付いているのか、いないのか。


トガちゃんは私の手をギュッと握り、こう言った。


「Aちゃん、ショッピングモール、行こう？」




そのままトガちゃんに押しきられる形で、私たちはショッピングモールに来ていた。


死柄木さんに視線を向けたとき、「めんどくさいから行ってこい」と言われたから。


それに、トガちゃんとのお出掛けはあまり出来るものでもないので、普通に楽しみだ。


本当はおしゃれをして歩きたかったのだけれど、


いきなりだったこと、そして私たちは敵(ヴィラン)であること。


この二つを踏まえて、私たちはおしゃれをしていない。


トガちゃんの髪は目立つから、キャスケットの中に押し込んだ。


普段来ている制服も、黒いパーカーに着替えさせた。


私も同じメーカーのグレーのパーカーを着用している。


ちなみに、死柄木さんに渡されたものだ。


唯一のおしゃれは、お互いのキャスケットにつけている帽子用の飾りだろう。


前に出掛けたときに、今かぶっているキャスケットと一緒に買ったものだ。


トガちゃんは黄色の飾り、私は白色の飾り。


お互いに選びあったもので、トガちゃんはルンルンしながらかぶっていた。


その姿だけで私は満足だったのだけれど、トガちゃんに腕をグイグイ引かれ、ここにいる。


それにしても、ショッピングモールって大きい。


帽子を買ったのは情報集めの時に立ち寄った小さな帽子屋さんだったから、


こんな大きいところにはいるのは初めてかもしれない、私は。


ボーッと出入り口で立ち止まっていると、トガちゃんに袖を引かれる。


「どうしたのAちゃん 早く行こう！」


目をキラキラさせるトガちゃんに急かされて、私はショッピングモールに足を踏み入れた。

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