【luz】『ライト』/こんぺいとう。 ページ39
才能のある人達が、人一倍努力をしてきて積み重なって今がある。そんなことをしみじみ思いながらそんな一人に入っていて良かったと心からそう思う。
今の仲間と会えて。今、好きな歌を歌えて幸せだ。
しかし何故それが今になってランキングに載るのか。XYZのライブも予定されていたからきっと予行練習的な感覚で皆が一斉に聴いたと思っていたのに、どうやら彼女はそうではないらしい。
「……、」
「なんかあった?」
「…ううん」
迷いのある声。納得のいかない声。
何かに悩むその声の答えは知らない。
「もう、分からなくなっちゃって」
最近のコメントがついている動画には関係の無い内容までチラホラと見受けられ、この界隈ではない所まで悪い噂が広がっているのだと。
悪評も取り憑いたまま伸びる動画に素直に喜べないのだと。彼女は嘆いた。
「ただ、…好きなだけなのに…っ」
苦しくて、苦しくて。関係のない人まで巻き込むネットの世界が脆い。
【luz】『暗転』/こんぺいとう。→←【luz】『間奏』/こんぺいとう。
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ほさと - とても感動しました。占ツクの歌い手様を扱った作品には珍しくしっかりと小説になっていて、一介の読書好きとしても嬉しかったです。どの作品もとても美しい比喩があり、音読したい作品だなぁと思いました。 (2019年7月14日 20時) (レス) id: fdc2472f82 (このIDを非表示/違反報告)
弓乃 - 皆様の素晴らしい文章に心が震えました。ありがとうございます。執筆お疲れ様でした。これからも頑張って下さい。 (2019年6月17日 16時) (レス) id: d99258de7b (このIDを非表示/違反報告)
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