6-1 たそがれ と やつがれ ページ22
しょうもないサブタイトル思いついてしまった……
ー ー ー ー ー
俺と太宰は頼まれていた依頼を終え、探偵社へと報告に向かう途中である。
雲のない西の空は、夕焼けの赤さが残り、怪しげな雰囲気に満ちている。
車がギリギリ通れるかどうかくらいの広さの道を、わいわい喋りながら歩いていく。
ブロック塀や、路地裏、閑静というか、切なささえ漂う住宅街に声が響いている。
「Aは
『たそがれ……どき?』
「
聞いたことあるような言葉だがしっかりした意味までは知らないので疑問形で返した。
『たそがれ……あとで漢字もどうやって書くのか教えて?』
俺は現在も、探偵社にいる傍ら、年齢相応の勉学にも励んでいる。
探偵社では厳密に云えば手伝いという形で置かせてもらっている立場であり、本格的な給料も貰ってはいない。
太宰は保護者代わりであり、太宰とは二人三脚のように探偵社の仕事もこなしている。
俺が仕事をしろ、と促すことも少なくないために全く、どっちが保護者なのか分からない。
「いいとも。
ああ、それとね、語源としてはそのくらいの時間帯であると、正面から歩いてきた人間が誰なのかわからないから「
『昔は「誰」に「彼」で「たそかれ」って書いたってこと?やっぱり言葉って面白いね』
長い時代の中で、言葉が時代に合わせるようにして少しずつ変化してゆく。
とても面白いことだと思う。
「そうだね。
……もし、今其処の角から知らない人間が曲がってきても、きっとAはその人間の顔がよく見えないだろうね。
――それは、本当に人間なのかさえもわからないくらいに、ね」
太宰がそう告げた矢先に、俺と太宰が向かう方向の十メートルくらい先の角から、人間のシルエットが飛び出してきた。
相手が黒っぽい服を着ているのか、辺りの暗さか、ゆらりゆらりと歩くそれは確かに、顔が全く見えない。
『たそがれ……』
外形は辛うじて理解することはできるが、顔が見えない。
其れが更に不気味さを高めているのか。
「昼と夜の丁度真ん中のこの時間帯はね、彼岸と此岸――詰り、この世とあの世が繋がるとされている時間なのだよ」
太宰は怖がらせようとしているのか、とびっきりの笑顔でたんたんと語ってゆく。
『詰り……?』
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う!!!私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……!涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います!現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです!頑張ります! (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援してます! (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います!!え、凄い嬉しい…!!同じ受験生何ですね!頑張りましょ!応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
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