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1-2 新入社員と日常 ページ3

同じく耐えきれなくなった国木田が怒りを爆発させ、太宰を部屋の外に引っ張り出した。

「痛いよ、国木田くん!」

「知らん!」

『あ……だ、大丈夫、太宰……?』

引っ張り出されてないものの、自分も五月蠅かっただろうという反省や太宰への慈悲心で一緒に付いて来るA。

「扶けて、A……」

『う……仕方ないんだから……国木田、俺がちゃんと太宰が仕事するように見張るよ……』

「……あぁ、頼んだぞ」


どうやら話がまとまったようで、国木田が戻ってきた。
ドアの直ぐそばでの会話のため、中にも丸聞こえではあったようだが。

「全く……。Aも何があってあんな奴を慕ってやれてるのやら……」
漸く仕事のために太宰とAが目的の部屋へ行ったのを確認して呟く。

「え?慕っているようにはとても見えないんですが……」

「ああ見えて本当は太宰のこと大好きだからねエ。確か、Aは太宰に拾われたとか聞いたけどね。
妾もあまり詳しくは知らないんだが」

「Aくん、本人の前では呼び捨てですけど、本人いない所じゃ太宰さんって呼んでたりしますもンね」

「本当に可愛らしいですわ」

皆が皆、微笑ましいねえ、なんて云うため、敦もつられてつい笑顔になってしまう。


『もう!! 十秒以内に動かないと手伝わないからね! 国木田呼んでくるよ?! このぽんこつだざい!!!』

が、別室から突如聞こえる可愛らしくも恐ろしい怒声に、敦が笑顔のまま一瞬固まる。


「あの、慕っているというのは……」

先程の話の真偽が怪しくなるような怒声に敦の不安が高まる。

「事実だ。
Aもあんなものに拾われてしまったのが運の尽きだな」

「は、はあ……」

とても、慕っているようには見えないけど、きっと世の中には色々な愛の形があるんだろうな、と思うしかなかった。

Aくん、第一印象は刺々しい人かと思ったけど、どうやら探偵社の人たちの様子を見る限り信頼は厚いようだ。

きっと初対面だからだ。今日だけがあんな様子なのだろう、と疑心暗鬼ながらも明日からはもっと普通に接することが出来るように祈った。

2-1 泳げないんだけどね→←1-1 新入社員と日常



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設定タグ:文豪ストレイドッグス , 男主 , 太宰治   
作品ジャンル:アニメ
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霜月まぎか(プロフ) - 妃有栖さん» え、え、読んでくれただけで死ぬ程嬉しい有難う!!!私も書きながら泣いた(( (2018年1月10日 23時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
妃有栖(プロフ) - 読破遅くなってしまって申し訳ない……ちょっと真面目に泣いたんだけど……夢主くん最初はめちゃくちゃ可愛いショタだって思ってたら最後はもう……!涙出てきた……夢主くん辛いけど幸せだっただろうねぇ…… (2018年1月10日 22時) (レス) id: 6bd3aaf7a9 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - りつさん» 有難う御座います!現在進行系で読んでくださる方がいらして嬉しい限りです!頑張ります! (2017年12月9日 19時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)
りつ(プロフ) - 久しぶりの更新嬉しいです!これからも応援してます! (2017年12月9日 11時) (レス) id: 9f104312a4 (このIDを非表示/違反報告)
霜月まぎか(プロフ) - おこめりんぐさん» 有難う御座います!!え、凄い嬉しい…!!同じ受験生何ですね!頑張りましょ!応援とかコメとか本当に有難う御座いますうう (2017年11月27日 16時) (レス) id: f7c4cbe325 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まぎか | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月7日 20時

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