ねぇ、また仕事忘れてない…？ ページ9
「エル様…」
「あっ、ご主人様っ」
光に包まれクロエ様の前に現れたのは、2人の天使さんとよく似た、淡い金髪で白い服を着た…6枚の翼が背中に生えている男性ですね。
エルと呼ばれたその男性に、天使さん達は飛び付いていきます。
「キミはあのおサボりさんを探し中だろう…？」
「いけないっ…、そうでした…」
エル様が妖精のような天使さんを自分の手のひらに乗せ、少女の天使さんの頭を撫でながら言うと、クロエ様ははっとしたように口元に手を添え呟きます。
「ご主人様っ、あんまりくろえ様を怒ったらダメですよ、この私を助けてくれたんですからっ」
エル様にくっつき、頭を撫でられていた天使さんですが、エル様から少し離れると腰に手をあて、むっとしたような顔で言います。
「ううん、怒ってはないんだよエンゼ、お礼は言えたかい…？」
怒ってる様子の…エンゼと呼ばれた、少女の天使さんにも動じず、手のひらに乗せたもう1人の小さな天使さんの頭を指で撫でながらエル様が問うと…
「それはバッチリですよっ！ご主人様っ…！」
きらきら、と効果音とエフェクトでもつきそうな、子供っぽい笑顔…少々ドヤ顔、にも見える顔を少女の天使さんはし、そして答えます。
「あっ、くろえ様、これ返してくださいねっ…」
「お掃除変わってあげたかったけど…ごめんなさい」
慌てて天使さんはクロエ様の方を振り向き、半ば奪うようにクロエ様の持っていた小さなモップを取ると、取られてしまったクロエ様の方は、心底申し訳無さそうに頭を下げます。
頭をあげたクロエ様の目にはうっすら涙まで浮かんでいて、嘘の涙という訳でもなさそうですね。
「わわっ…！？いえっ、そんなっ…」
少女の天使さんは驚いた様子で自分も頭を下げます。
「気にしないでくれ。 さてエンゼ、掃除急がないと。おやつ抜きになるよ…？」
「へ…！？」
深く、そして随分と長い間頭を下げていた天使さんですが、すぐ近くで聞こえたエル様の言葉に、ばっと顔をあげ反応し、そのまま目を丸くしてエル様を見つめます。
「ここはもういいから、今度は…」
「すぐにやってきますぅっ…！」
くるっと後ろを向き、慌ただしく翼をパタパタと動かしながら、少女の天使さんは行ってしまいます。
「あっ、待って…」
「…一体どこを掃除するつもりなんだろうね…？」
クロエ様の呼び止めにも気づかず、飛ぶ訳ではなく走っていった天使さんに、エル様は呆れながらも…くすりと笑います。
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緑 - とまとそーすさん» わざわざコメントありがとうございますっ、なかなかの亀更新ではありますが頑張ります…！ (2020年5月7日 17時) (
レス) id: 8fad606fce (このIDを非表示/違反報告)
とまとそーす(プロフ) - 世界観がしっかりとしていて好きです！更新、頑張ってください！ (2020年5月7日 0時) (レス) id: a15a8d4ea3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒夜 緑 | 作成日時：2018年8月19日 18時
