初めての男体化 ページ10
「！？！？！？」
私がパニックに陥っている横で、カガリがくすくす笑っている。
「ああ、言い忘れてたけど貴方は成長させるついでに男体化させておいたから。新しい体の使い心地はどう？」
「いや、どうと言われても．．．いいんじゃないかなあ？」
確かに、使い心地は決して悪くはない。頭はとても冴えてるし、体はものすごく軽いし、声もかっこいい。試しにちょっとジャンプしてみたら垂直に３ートルは飛んだ。
「も、もしかして、スー？」
そんなことをしていると、後ろから聞いたことあるようなないような声が聞こえた。振り向いてみると、だいちゃんの服を着た、猫目の怖いくらいに顔の整った少年がいた。年は12,3歳くらいだろうか。
「え．．．？だ、だいちゃん？」
「スー！？ホントに！？」
「ねえ、鏡いるかしら？」
私は鏡を奪い取るようにしてみてみると、だいちゃんと全く同じ顔をした少年がいた。ただ、こちらの方が僅かにたれ目で、幾分か優しそうな顔をしている。
私は鏡を取り落とし、膝をついた。
「そんなに落ち込むことはないわ。イケメンにしてあげたんだし．．．」
「でもなんで俺たちこんなに似てるの？」
だいちゃんが一番疑問に思っていたことを口にした。
「それは何かと都合がいいからよ。特に、そんな格好してるんだし」
カガリが私たちの色違いの半袖を指さす。
「貴方達、向こうの世界では、多分カラ松とチョロ松って呼ばれると思うわよ。それで、えーっと、思い出した。スペカを作る前にこれでも読んでなさい。」
カガリはそう言ってどこからともなく6冊の厚い本を取り出した。題名には『スペカに使える用語集』と書かれている。
「スペカを作る時に色々便利だと思ったから作ったの。私はちょっと神社に戻るから。じゃ、頑張って読んでね。」
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作者名：海神（かいと） | 作成日時：2019年5月20日 9時
