30秒 【 ころん 】

５ 秒 ページ6

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『 …ですか？……ぇ！！』


ユサユサゆすられてる感覚。

なんかふかふかしてるなぁ、私何してたんだっけぇ、…


『 ねぇ、起きて！！』


「 …ふぇっ、…っへぇ！？」


ぺちんと優しく頬を叩かれて
嫌でも目が開く。

眩しい部屋に目が慣れなくてぼんやりとする。
どこか近くから声がする。聞き馴染みのある声


『 大丈夫？…君さぁ、僕のリスナーでしょ？マンションの前で倒れ込んでさぁ、どうやって僕の家特定したの 』

「 りすなー？…そもそもあなたは誰ですか？」


きょとんとされた。

なんだコイツって顔された。
寝起きで頭は働かないし目はしょぼしょぼして開かない。


『 握手会来てたでしょ？…いやぁ、こんなすぐにまた会えちゃうとはねぇ、』


苦笑いされた。
あれ、握手会？？

え…？
まさか、

慣れてきた目でよく見てみる。

この顔ライブで見た事ある。
この声毎日聞いてる。
この服今日見た気がする。


「 あの、…まさかとは思いますが、こ、こ、…ころんくんですか！？」


『 はい、そのまさかのころんくんです 』


うそだろ？
何のそのそと推しの家入っちゃってんの？
何ベッド占領しちゃってんの？？

あれ、わたしちゃんと家に帰ったつもりだったんだけど…？？



「 あ、ちょ、あ…ご、ごめんなさい。その、でも、本当に偶然です！！マンションの前で待ってたとかそんなんじゃないです！！ほんとうです、」


『 ふーん、迷惑になると思って家まで運んじゃったけどこれバレたらまずいなぁ、なーくんになんて言われるか…』



やばい。
さっき会って話した時より距離が近い。
微かに匂う彼の香りに頬が緩む。


突然のハプニングに にやにや が止まりません。


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