30秒 【 ころん 】

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何故か自然と一緒に会計してて
帰る方向も同じなので一緒に帰ることに。


「 暑くなったよねぇ。僕もうクーラー入れ始めちゃったよ」


ムシムシしてて汗で肌がベタつく。
暑いかなって思って白いワンピースを着てみたんだけどその選択は間違ってなかったよ。

いつもの部屋着で出てたらきっと彼に絶望されてた
気がする…。


『 ですよねぇ。…私は今のところは扇風機で我慢してます』


「 へぇ〜。というか、Aちゃんって会う度にイメージ変えてくよね。初めて会った時は、量産って感じだったのにこの前あった時はカジュアルな服着ててオシャレだったし、今日はなんか爽やかだし、」


似合ってるね、


私の目を見て微笑まれて
思いっきり照れてしまった。

推しにそんなん言われて
照れないやついないでしょ…。


『あ、ありがとございますっ、…。こ、ころんくんも、いつもかっこいいです、』


ボソボソ声になってしまったけど
本音を伝えたつもり。

お世辞とか抜きで
本当にかっこいいんだよ。

推しだからなのかもしれないけど
私にはフィルターがかかって見えてるのかもしれないけど今日も本当にかっこいい。


「 ふっ、…照れるなぁ。…あぁ、ここでバイバイかぁ」


彼の家が出てきてどことない寂しさと
独占用にまみれる。

まだ一緒にいたい。
彼の隣にいたい。


こんなこと願っちゃダメなのにね。


『 ありがとうございました！！楽しかったです。ゆっくり休んでくださいね 』


彼に手を振って後ろを向く。
この場にいたいけど、これ以上彼に迷惑かけられない。


そう思ったのに。


歩き出した足が止まった。
手首をぎゅっと掴まれた。



「 あ、あのさ……良かったら、夜ご飯一緒に食べない？」



そんなこと言うからもっと好きになる。



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