85、薬研のツボ ページ35
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「ヒゾッコ?ヒゾッコかぁ…それならしょうがない…のかな?」
「うん!そうだよ!」
「そっかぁ、わかった!」
「ふっ。絶対わかってないだろ…っ。」
白衣の子がそう言って笑った。
どうやらツボに入ったようで、眼鏡を上げて涙を拭っている。
「手入れ部屋来てんのに絆創膏探すし、信濃に言いくるめられるし…くくっ…あんた主と全然違ってほんとにいろんな表情持ってんだな。」
何だかとても愉快そうに笑うので、私も釣られて笑ってしまった。
泥が絡みついたような重い心が少しだけ軽くなった気がする。
「そう言えば名前をまだ言ってなかったな。俺っち、薬研藤四郎だ。それでこっちが…」
「信濃藤四郎だよ!」
「薬研とか信濃とかって気軽に呼んでもらって構わないぜ。」
「薬研くんと信濃くんね。私は、泉といいます。」
「律儀だねー泉さん。いち兄とは面識あるんだっけ?」
「うん。」
一応あの朝のご飯作りのことは内緒なので、あえて深くは言わないでおく。
一期一振さんに軽く目礼をする。
でも何故か一期一振さんは視線を泳がせてしまった。
どうしたんだろう。
ひょっとして、私の事覚えてなかったとか!?
「私の事…覚えてらっしゃいませんか?」
「いえ、そんなことは!泉殿こそ、覚えていらっしゃらないのですか?」
「私…?」
昨晩の出来事を一期一振さんが見ていたなどと知らない私は、ただひたすら首を捻るしかなかった。
「そ、そんなことより気になっていることがあって。」
「はい。なんでしょう。」
「顔色がよろしくないようですが…」
「あぁそれは俺っちも気になってた。」
「言われてみれば、ちょっと顔色悪いね!大丈夫?」
3人ともから心配そうな目を向けられてしまった。
「大したことないですよ。大丈夫。」
会った人みんなに心配されてるなぁ。
そんなに顔色悪いんだろうか。
「そうかぁ?
まぁ何かあったら俺っちに言えよ。
一応医術は人並み以上には知ってるからな。」
「やっぱり薬研くんはこの本丸のお医者さんなんだね。
薬研くんがいれば、私が居なくなっても安心だ。」
「「「えっ…!」」」
えっ?えっ?
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完全に余談ですが、秘蔵っ子ってローマ字にしようと思って変換したら
one's favorite son
って出てきました。
ほへーって感じです。(だからなんやねん)
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます!修正します! (2019年8月2日 10時) (レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません!沖田君は、一番組組長だと思います! (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:紫水 | 作成日時:2019年6月8日 8時