84、秘蔵っ子 ページ34
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「今日もよろしくお願いしますね。」
目線を合わせてそう言うと、職人さん達は目を見合わせている。
その中の一人が私の顔を白い綿みたいなのでポンポンし始めた。
そしてその後ろでは布を持った職人さんがオロオロしてる。
私を手入れしようとしてるのかな。
「あはは、人間は手入れ出来ないですよ。」
ポンポンしてくれてた職人さんの頭を思わず撫でて立ち上がる。
そんなに顔色悪いの、私。
確かに私のトラウマをつつく昨晩の出来事を朝思い出しちゃったのと朝食抜いたののダブルパンチではあるな。
まずいな、顔色最悪かもしれないわ。
今日だけは誰にも会いたくないな。
まぁ、そんなこと出来ないって分かってるんだけどね。
「…っし、行こうかな。」
昨日のように、「手入れしますよー」って声をかけに出ていこうとした。
すると、予想に反してひとりでに手入れ部屋の襖が開いた。
「泉殿、いらっしゃったのですか。」
そこに居たのは五虎退くんの兄の一期一振さん。
赤い髪の男の子と白衣を着た男の子を連れている。
「おはようございます、どうなさったんですか？」
「弟が指を切ってしまって…」
赤い髪の男の子がおずおずと左手を差し出す。
包丁が掠ったのだろうか、指の腹がぱっくりである。
「あらら…痛かったでしょ。」
キョロキョロと辺りを見回す。
「何を探してらっしゃるのですか？」
「絆創膏ないかなぁーと…」
「絆創膏なんてものはもうこの本丸にはないぜ。
あったら俺っちが既に処置してる。」
声を上げたのは白衣の男の子。
服装から考えて、彼はこの本丸のお医者さん的ポジションなのだろうか。
絆創膏がなくて、彼らは手入れ部屋に来た。
ってことは私がすればいいことは…
キュッ
ぱっくり割れた指を両手で包む。
霊力を流してから手を離すと傷口は塞がっていた。
「…もう痛くない？」
「うん。」
赤い髪の子は手をグーパーして見せた。
うん、大丈夫そう。
「あの…」
「ん？」
「あ、ありがとう。」
上目遣いでお礼を言ってくる彼のなんといじらしいことか！！
「どういたしまして。
…というか、君は刀剣男士だよね？」
「そうだけど、それがどうかしたの？」
「いや刀でも包丁で失敗することあるんだなぁ、と。」
「しょ、しょうがないじゃん。俺、秘蔵っ子なんだから！」
ひぞっこ
ヒゾッコ
hizokko…？？
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紫水(プロフ) - ルナさん» うわぁほんとだ。コメントありがとうございます！修正します！ (2019年8月2日 10時) (
レス) id: aa0c16ca22 (このIDを非表示/違反報告)
ルナ(プロフ) - コメントすみません！沖田君は、一番組組長だと思います！ (2019年7月25日 9時) (レス) id: 3371ec9e8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：紫水 | 作成日時：2019年6月8日 8時
