検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:1,113 hit

第五章 ページ7

五章はちょっと、暗めかな?

窓に寄り掛かると、教室がよく見渡せる。
笑い合いながら談笑する、男の子、女の子…。
黙々と、読書を読む女の子。
楽し気に、プロレス技を投げ合う投げ合う男の子。

その中には、蒼穹と壮真君が見えた。
やっぱり、仲が良さそう。
私には、入る隙が見つからなかった。
寂しくて、自分が嫌になった。

不意に、肩を叩かれた。
優しくて、温かい手だった。
それで、懐かしさを感じた。

『 A。どうかした?元気、無いじゃん 』

『 あぁ。やっぱり、羽かぁ 』

私が思わず漏らしたその声を聞いて、羽が不満気な表情を作る。

___なんだよー文句あんのかよーー!

なんて、羽は言った。
ううん。
文句、なんて、ないよ。
言えばいいのに。
私の馬鹿。
声が口から、出てこない。

そんなことを考えている私を見て、羽は楽しそうに笑った。
深いダークスレートブルーの瞳に、私は吸い込まれそうになった。
懐かしい筈なのに。
でも、なにか違った。

『 …羽、あのさ、私……… 』

『 ……ぅん? 』

額から、汗が伝っていく。
緊張する。
私、なんて言いたいのだろう。

『 ごめん…私、文句なんて、無い、よ…ありがとう 』

言えた時、羽は嬉しそうに、笑ってくれた。
  それから、寂しそうに笑ってくれた。





何時もの帰り道。
四人で帰る、帰り道。
でもね、蒼穹と壮真君は手を繋いでいた。
二人とも、ちょっと恥ずかしそうに笑って、嬉しそうに歩いてた。

私の初恋は、たった一日で消えた。

私の隣を歩く羽の横顔は、何処か哀し気で。
もしかしたら、羽は蒼穹のことが、好きだったのかもしれない。
だったら、一緒だね。
私もだよ。

だから、そんな顔をしないでよ____。

何気なく見上げた空は、やっぱり青かった。
  綺麗だった。


そのまま、私は皆と別れた。

第六章→←第四章



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 8.2/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:恋愛 , 友情 , 少女   
作品ジャンル:ラブコメ, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

美月(プロフ) - チョコレートさん» ありがとう!夢主可愛いかなぁ・・嬉しい♪見てくれてありがとー★ (2018年2月12日 8時) (レス) id: 8bca99ae07 (このIDを非表示/違反報告)
チョコレート - 更新頑張って!夢主可愛いね♪ (2018年2月12日 6時) (レス) id: eea7e16f75 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:美月 | 作成日時:2018年1月28日 20時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。