038号室 ページ39
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「うん。GENが惚れ込んじゃうのも分からないでもないね」
「！惚れっ、……ま、まあその、人間性には、たしかに惚れてますけど」
「……ありがとうございます」
「もう、いいから」
面接は滞りなく進んだ。
わりと経歴がけっこう荒いので深い所まで聞かれるのかな、と思いきやあまりそんなことはなく、むしろただの雑談のような、そんなゆるーい空気感のまま、進んで行った。
それに、隣にGENさんが座っていてくれている、その事があるだけでも私自身、比較的冷静に話すことができたかのように思う。
「じゃあ、せっかくだし2人きりでも話がしたいな」
「……2人きり、ですか」
「うん。GEN、ちょっと外してくれるか」
「わかりました。じゃ、頑張れよ、A」
いやそのポーズといいなんかいろいろ軽いなあ。
そう思いつつ、扉を閉めて颯爽と出ていくGENさんの後ろ姿を見えなくなるまで見つめる。
ガチャン、と無機質な音だけが、部屋に響く。
「……さて、本題に移ろうか」
「はい」
「Aちゃんは、GENが好きなのかな」
「………え、」
2人きりになった途端、開口一番が、それ？
そう思いつつも、でもどこか、心のどこかでそれをいつか聞かれることを、分かっていたような、そんな気もしていた。
ほんのすこし答えあぐねていると、
「かくいうGENは、君に相当惚れ込んでるみたいだけど」
なんてにこやかに、さわやかに言い放たれてしまう。
何もかも、この人にはお見通しなんだ。
この短時間で、ぜんぶ。
「……GENさんの気持ちに、薄々気づいては、います」
「……うん」
「でも、……」
「……LOVEじゃない？」
LOVEじゃない、のか。
……それとも。
「……それは、」
悩んだ。
歯を少し噛み締めて、悩んだ、考えた。
GENさんの色んな表情が、GENさんと行った色んな思い出の場所が、頭の中を駆け巡っていく。
「……私の、GENさんへの、この気持ちは、」
でも、そう、迷ってしまうってことは、
迷って、迷って、迷い込んでしまうってことは、
「……LIKE、なんだと思います」
出口は、たった一つだけ。
もう答えは、自分の中で既に定まっている。
「だから、……そばに、いない方がいいんじゃないかなって、」
口にした途端、それは紛れもない事実として、私の体全体を支配するかのようだった。
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ちわわ - 初めまして！もうめちゃくちゃ刺さりました…大好きすぎる作品です…!第2章のパスワードを教えていただいてもよろしいですか…？ (2022年6月3日 2時) (
レス) id: 8e9e78c35a (このIDを非表示/違反報告)
蓮 - 初めまして！とても素敵な作品ですね！続きが気になります！第2章のパスワードを教えていただけますか？ (2021年3月26日 17時) (レス) id: ce4eaa6c55 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダマカロン(プロフ) - 第二章と片岡さんのお話のパスワードを教えてもらいたいです！ (2020年10月10日 2時) (レス) id: 41c2841ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - はじめまして！素敵な作品で一気読みしちゃいました(TT)第2章も他の作品も是非読みたいです！ (2020年3月6日 1時) (レス) id: 9a92e69ecf (このIDを非表示/違反報告)
巻 - 好きです、でした、、汗 (2020年2月14日 1時) (レス) id: bbe11dd873 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヨムヨム | 作成日時：2019年9月11日 12時
