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037号室 ページ38

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「なんかさ、A」

「ん?」

「……俺の方がすっげー緊張してる気がすんだけど」

「……っふ、」




突然そんなことを言い出したGENさんの表情があまりにも言葉とマッチしていて、思わず吹き出し笑いをしてしまう。


いや、ほんとかわいいな、この人。






「私だってこう見えて緊張してますよ。ドキドキです。ドキドキ」

「いーや、俺の方がぜったい緊張してる。だってこれ、味ぜんぜんわかんないもん」

「えー?せっかくこんな美味しいのに。もったいない」

「……もうなんか今にも吐きそう」

「いやちょっと。絶賛食事中なんですけど」





確か年齢は30とか、31とか、だったろうか。


となると私の5つか6つ上、ということになる。

数にしてみるとなかなか歳上だ。





最初はなにも気にならなかったが、今思えばそのルックスとその髪のおかげでわりと同い年に見えてしまうことがあったりしたこともある、ような。



……金髪、いいな。私も思い切りたい。




「……そんなに見ないでよ、もっと緊張しちゃうじゃん」

「……和らげようと思って?」

「和らがないから。見ないで。食べて」






照れる仕草も、下手したらその辺の女の子より可愛かったりしないかな。

むしろ私より可愛かったりする?





「……悔しいな」

「え、なにが?」

「いや、GENさんが『かわいい』ってよく言われてる理由が最近やっと分かってきたなーって」






そう、思ったことをただ、ただ言っただけだった。







「……なにそれ。嫌なんだけど」







それなのに帰ってきた言葉はあまりにも、たとえば薔薇のようなトゲトゲとした言い方で。







「……すみません、」

「……かわいいなんてAに言われても嬉しくない」

「……別に、かわいいとは、」

「でもそう思ったってことでしょ」






あ、私、GENさんのこと傷付けた……?






「……嬉しくないよ、そんなの」






自分が傷つくよりも前に、そうハッと気付いた。


それと同時に、やっぱり私にとってこの人の存在は、GENさんへ向けられているこの気持ちは、そういう甘酸っぱいものじゃ、と、わずかに確信めいたものが、それでも確かに胸の中に広がっていく。






「……GENさん、」

「いや、ごめん。食べよ。早く出ないと間に合わなくなるし」









─── GENさん。

私は、……私があなたと関わることで、あなたを苦しめてしまっているとしたなら、そんなのは。









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ちわわ - 初めまして!もうめちゃくちゃ刺さりました…大好きすぎる作品です…!第2章のパスワードを教えていただいてもよろしいですか…? (2022年6月3日 2時) (レス) id: 8e9e78c35a (このIDを非表示/違反報告)
- 初めまして!とても素敵な作品ですね!続きが気になります!第2章のパスワードを教えていただけますか? (2021年3月26日 17時) (レス) id: ce4eaa6c55 (このIDを非表示/違反報告)
ヤマダマカロン(プロフ) - 第二章と片岡さんのお話のパスワードを教えてもらいたいです! (2020年10月10日 2時) (レス) id: 41c2841ae6 (このIDを非表示/違反報告)
Sn(プロフ) - はじめまして!素敵な作品で一気読みしちゃいました(TT)第2章も他の作品も是非読みたいです! (2020年3月6日 1時) (レス) id: 9a92e69ecf (このIDを非表示/違反報告)
- 好きです、でした、、汗 (2020年2月14日 1時) (レス) id: bbe11dd873 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ヨムヨム | 作成日時:2019年9月11日 12時

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