クロキル ページ7
#「百花繚乱に」
雨。周りの音をかき消すくらいには大降りの雨。捨てられた仔犬が哀しそうに鳴く。
一人の少年、キルアは目の前で起こった事態に頭が追いつかない。それもそのはず、今宵の獲物の四肢が音もなく崩れ落ちたのだから。
雨音のせいか、匂いも掻き消され、分かっているのは四肢のない獲物とその隣に立つ逆十字の男。
ああ、だいたい予想はできる。
きっと依頼主は俺以外の同職にも依頼してたんだろう。料金は前払いなのに。そんなに殺して欲しかった相手か？
混乱する脳、頭に浮かぶ任務失敗の文字。
それを隠そうと必死に違う答えを考え出す。額に滲む汗は兄、イルミへの恐怖心だろう。
彼は度々、兄であるイルミに「暗殺者の心得」として「常に命を狙われてることを頭の隅に入れとけ」と、オーラで圧制される。
卑怯なやり方だ。それでもキルアは“念”を知らないせいか、そのオーラに本能が逆らえず生口のような生活をしている。
｢俺、俺…イル兄に殺されるのか？またあの地獄の日々に逆戻りなのか？｣
口を衝いて出た言葉は恐怖心ゆえか。
「君は家出少年か？」
目の前の逆十字の男は絶望するキルアに話しかける。それもそのはず、彼はこの時を狙っていたのだ。
「家出…？あ、ああ。ハハ。情けねぇよな俺。」
都合のいい言い訳。分かっている、そんなこと。
ただ、今はイルミではない他の誰かに縋りたい。
そんな気分なのであろう。
雨音の中、クロロとキルアの声だけが響く。
ピチャ、ピチャと歩むクロロ。引き寄せられるように近づくキルア。
「俺の家に来い。匿ってやる。」
誰から匿うのか、そんなことは明白で。勿論のこと、彼の兄イルミからだ。
「いいのか？俺、危ない奴かも知れないぜ。」
幸い、自分の暗殺術には些かの自信があった。もしなにか危ない目にあえば殺してしまえばいい。キルアにとって他人など生かすも殺すも己の勝手。そんな存在なのだ。
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ゆっずー(プロフ) - ヴィズさん» もうめちゃくちゃ良かったですよ！！リクエスト聞いていただきありがとうございます！！楽しみです！ (2020年6月10日 14時) (
レス) id: 6179140598 (このIDを非表示/違反報告)
ヴィズ(プロフ) - ゆっずーさん» コメントありがとうございます！仕事の休憩中に書いたものなので拙い点があると思います……（汗）いかがでしょうか？？また暇な時に両思いヒソゴン書かせていただきます〜！ (2020年6月10日 14時) (レス) id: faed2ccaa7 (このIDを非表示/違反報告)
ゆっずー(プロフ) - 流石ヴィズさんですね…！リクエスト良いですかね…。地雷じゃなければ、ヒソゴンお願いします…！ (2020年6月10日 12時) (レス) id: 6179140598 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2020年5月24日 12時
