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イルミ ページ29
【サフラン】
「図に乗るな。」
まるで滑稽。
土砂降りの中
向けられる殺意、そして銃口。
「なにも私はあなたの命に逆らったわけじゃない。
なのに何故ですか！！」
自分でも笑っちゃうくらいの命乞い。
でもこれから死ぬやつの言うことなんてイルミは聞いてくれるわけない。
「オレ、期待してたんだよ。Aが一人前になるのを。」
一人前？なんの？殺しの？殺し屋としての？
「でも残念だ。失望したよ、折角いいパートナーになれると思ったのに」
「ｯ…調子に乗らないで！！！！
私が！！どんな思いで！あなたの命令に従ってたと思っているの！！」
どれだけこの思いを隠していたと思ってるの…？！
「知ってたよ、全部。
“家族”を消すために初めて手を汚した…それは何故か。
オレが分からないとでも？」
「好き…だから、あなたを汚したくなかった。
好きだから、気づいて欲しかった。
好き、だから、汚れた私を、壊して欲しいの。」
「オレと一緒になりたかったんだろ？
初めから素直にそういえばいいんだ。
でもA、もう遅いんだ。なにもかも。」
「イルミ、あなたは優しい」
バンっと響く銃声、遠のく意識
あなたの顔は濡れていたね。
気づいていたの。
幻影旅団として暗黒大陸に行くこと。
「A、これからも好きだから」
(ーーー調子に乗らないで)
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作者名：ヴィズ | 作成日時：2018年10月2日 0時
