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カイト ページ18
【モクレン】
旅先で出会ったその少女は、例えるなら妖精のようだ。
長く透き通るような緑の髪に慈愛心溢れるような黒色の瞳。
「どうかしたの?」
「あなたが、美しくて」
つい口から溢れたのは口説き文句
オレとしたことが情けない
「ふふふ お口が上手ね
私はあなたのその長く白い髪、好きよ。」
初めて出会った時はそう言ってくれたな。
いつもいつも木の上で寝ていて
動物達に世話されてただろ、お前。
「ごめんなァ A。
オレは蟻に敗けたよ」
いつか一緒に世界に羽ばたきたいと言ってくれたな
王直属護衛軍の一人、ネフェルピトーに敗けたオレは
どういう訳か女になっていた。
・
・
「プッ え?!ホントにカイト?」
「ウソを言ってどうするんだ」
目前にいるこの女はオレの愛おしい人。
「すっかり可愛くなっちゃって…
私、男前なカイトのこと好きだったのに」
なんて言うお前は動物に囲まれて幸せそうだな。
「今のオレはダメか?」
「! いや、好きだよカイト」
自然を愛するAをオレは愛した。
(ーーー自然を愛する)
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作者名:ヴィズ | 作成日時:2018年10月2日 0時