末っ子の話 ページ10
〜A視点〜
あれからあっという間に５日がたった。
結局、凛月には一度も会えなかった。
連絡も取れてない。
真緒も、学校では最低限の会話しかしないらしい。
本当は今日帰ってくるはずなんだけどなぁ…。
たった５日でも、凛月がいないととても長く感じる。
「Aさん！」
…へ？
A「…あなたは確か…朱桜司くん？」
塾が終わり、途中まで送ってくれた真緒と別れ、
自分の家へ向かうと、
家のドアの前には朱桜司くんが立っていた。
司 「はい！覚えてくださっていたのですね！」
可愛い…。
A「うん。一度知り合った人は忘れないんだよね。」
司 「素晴らしいですね。尊敬します♪」
こうやって素直に褒めてくれる人、久しぶりだなぁ。
A「それで、何かあった？」
司 「いえ、特に何もありませんが、私が勝手にあなたとお話したくなったのです。」
A「…私と？」
司 「ええ。
少し散歩しませんか？
時間の許す限り。明日は休日ですし。」
A「…うん。」
どうしていきなり…って思う。
でも、この様子だと彼は、私と凛月の現状を知ってる。
A「…司くん、多分私と同い年だよね？」
司 「…Aさん、１年生なのですか？」
A「うん。だから、Aさんとか堅苦しい呼び方しないでいいよ。
敬語も使わなくていいし。」
司 「そうしたいのはやまやまなのですが…。
この敬語は私の癖でして…。
しかし、仲良くなった暁には呼び方を変えるかもしれませんね。」
A「果たして今日１日でどう仲良くなるのか…。」
司 「まぁ、まだ顔見知りの段階ですし…。」
A「好きなものは何？」
司 「私実を言うとsnack菓子や甘いsweetsが大の好物なんです！」
A「そ、そうなの…。
めっちゃ発音いいんだね。」
司 「そうでしょうか？
ともあれAさんはいかがですか？」
A「…私も実は甘党でね。
スイーツ大好きなの！特にいちごが乗ったショートケーキとか、
チョコケーキとか、あとはなんと言ってもクレープ！」
すると司くんは目を輝かせた。
司 「Aさんもsweetsがお好きだったのですね！
この気持ちをわかってくださる方がいてとても嬉しいです！
Knightsの先輩方は、私に甘いものを控えるように言ってくるので…。
特に瀬名先輩は…scaredです…。」
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