まだ ページ6
あんず「こんな人生…辛いだけですよ…。」
あんずさん…。
凛月「…あんたね…。
Aのこと舐めてんの？」
あんず「…え？」
凛月「…あいつは俺らより、勿論あんたよりも辛いんだよ。」
…凛月はわかってくれていたんだ…。
凛月「Aもあんずみたいな努力家だよ。
それでも、うまくいかないことのほうが多いの。
あいつメンタルも弱いし、週に一回は泣いて帰ってきたよ。」
…ちょ、それ今言うこと！？
凛月「恋愛でも、幼馴染みと許嫁両方に板挟みにされてたんだよ？
片方を受け取ったらもう片方が傷つくでしょ。
それを気にして、ずっと立ち止まってたんだよ。」
…知ってたの。
凛月「それに、幼馴染みがま〜くんみたいなのだと、女子のいじめだって起こる。
ずっとそれで傷ついてたの。」
誰から聞いた話！？
凛月「…あんたも、辛いことばっかだと思う。
でも、それだけじゃないでしょ？
ま〜くんやtricksterと出会えたのは、あんたがここに来たからだよ。
tricksterが革命を起こせたのだって、あんたがいたから。
あんたはもう、みんなの仲間だし、大事な存在なの。
そうなれたことは、幸せなことじゃないの？」
あんず「…幸せだね…。私…。」
凛月「そうだよ。
…本当の幸せって、あとから気付くものなんだよ。
まだ人生終わってないのに、辛い人生だったなんて決めつけるのは良くない。
死んでから決めることなんだから。」
あんず「…そうだね。
ありがとう凛月くん。」
凛月「…こっちこそ、好きになってくれてありがとう。」
あんず「…凛月くん、頑張ってね。
約束が果たせるように。」
凛月「…頑張るね。」
確信した。
今日はまだ無理だ。
凛月みたいな覚悟も、強い意志も私にはまだない。
あっても、そんな気持ちでここには来てない。
真緒には悪いけど、今日は帰ろう。
凛月とあんずさんがいなくなったのを確認して、真緒に電話を掛ける。
A「あ、もしもし。真緒？」
真緒「勘弁してくれよ…。
なんで言わなかったんだよ。」
A「…あんなの聞いて、私にはそんな覚悟ないって思った。
今じゃないって。」
真緒「まぁ、お前の感は間違ってはないと思うけどな。
ちゃんと言えよ？その覚悟ができたらな。」
A「うん。」
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