優しさ ページ6
下校時刻になった。
私は部活に所属してないため早めに学校を出る。
そう言えば、凛月さんに待っとけって言われてたな…。
来てなかったら帰ろう。
うん。来てない。
知らないよあんな人混み。
校門の前のあんな人混み知らないから。
興味ない興味ない。
家に帰ったら凛月さんになんて言おう。
今日塾だったから、とかでいいかな。
実際そうだし。
そう思い、丁度角を曲がろうとしたときだった。
「A！！」
A「…え？」
叫び声と同時に腕を後ろへ引かれる。
目の前には大きなトラックが横切る。
あっぶな…。
ひかれるところだったのか…。
思わず座り込む。
後ろの人にお礼言わなきゃ。
A「あの、ありが…え！？」
言いかけた瞬間、目の前が真っ暗になった。
温かい。
吐息が耳にかかって、くすぐったい。
「馬鹿。待っててねっていったでしょ。」
A「…凛月さん！？」
校門の前で女子たちに囲まれてたのに。
見つけてくれたのかな？
凛月「どうして勝手に帰ったの。ずっと待ってたのに。」
A「女子に囲まれてたから、気づいてないだろうなぁと…。」
凛月「…気づかないわけ無いでしょ…
あんたしか見えてないんだから。」
A「ん？なにか言いました？」
凛月「何もない。
とにかく、明日からはちゃんと一緒に帰るんだよ？」
A「まさか塾にまでついてくるなんて…。」
凛月「俺は夜のほうが調子いいからねぇ。」
星が輝く空の下、私と凛月さんは肩を並べて歩いている。
私はこのあと塾があるのだ。
A「…凛月さんは、どうしてそこまで私のことを気遣ってくれるんですか？」
凛月「…なんでって、お嫁さんだから？」
A「好きでもないのにこんなことしないでいいんですよ？」
凛月「…Aは嫌なの？俺が優しくすると。」
A「いえ、そういうわけじゃ…。」
凛月「俺がこうしたいんだから、あんたは別に気にしなくていいんだよ。」
凛月さんの性格とか、まだ良くわからないけど、
私の前では優しい人だ。
優しくて、格好良くて、王子様みたいで、
私にはもったいない。
「お！凛月！こんな時間に散歩か？」
凛月「あ、ま〜くんじゃん。」
この声…。
A「…真緒？」
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照山紅葉 - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。夜分遅くにすみません！初めてここまで高評価いただいて、驚いています。今後ともよろしくお願いします！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 1f5ed919d9 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きなので最後まで応援させていただきます！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page50 id: 62c0e911ba (このIDを非表示/違反報告)
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