本心 ページ28
「…普通そこは、
『私なんか全然可愛くないのに、いいんですか？』
とか言ってOKするとこだろ。」
A「え、逆になんで受け入れると思ったの？
話したこともないんだけど？」
「だって俺、顔いいだろ？」
A「…はぁ。」
うちの幼馴染みと許嫁に比べたらゴミクズ程度だけどね。
「あと、勉強にスポーツなんでもできるだろ？性格もいい。」
いや知らないし。
「話したことないにしても、
こんなにいい男から言い寄られて自ら手放すとか…
馬鹿じゃねぇの？」
そっくりそのままお返ししたい。
こんな地味な女に言い寄って来るとか馬鹿じゃないの？
「…顔も身体もそこそこの割には、素直に聞き入れそうなやつだったから選んだんだけど…。
思い違いだったな。」
おい、知ってるけど初対面だぞ。
めっちゃ上からだね、何様？？
「俺の誘い断ったこと、後悔したほうがいいよ。
お前みたいな見た目じゃ、もう一生訪れないチャンスだったんだからな。」
彼の言葉が胸に刺さった。
そうだよな。
言ってることは正しい。
いや、確かにこの人のあれは断って正解だった。
でも、
私が恋する相手は、この人よりも更に格上の
『アイドル』という職業。
私みたいなのが恋したところで、それは儚く散る。
いくら優しい真緒でも、凛月でも、
可愛くて素直な子と一緒にいたいに決まってる。
私の平凡な見た目では、とても彼らの隣には立てない。
考えたら、涙が出てきた。
どうやったって報われない。
私は普通の高校生。
何もかも平凡。
特別可愛いわけでも、なにかすごい特技があるわけでもない。
世の中全部不公平だよね。
周りの輝きに負けて、私は消えていくんだ。
こんなこと、当たり前のように友達の前では話してたのに。
いざとなれば、こんなにも悲しいことだったなんて。
くだらないことなのに、どうして涙があふれるんだろう。
「あれ〜？泣いちゃったの？
ていうか、今頃気がついたのかよ？」
笑われて悔しいはずなのに。
今はこの人なんかどうでもいいんだ。
必要とされなくなるのが怖い。
でも私なんかじゃ、
誰かの特別にはなれないから…。
？？「俺の大事な人に、何してくれてんの。」
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照山紅葉 - 名無しさんさん» コメントありがとうございます。夜分遅くにすみません！初めてここまで高評価いただいて、驚いています。今後ともよろしくお願いします！ (2022年3月29日 1時) (
レス) id: 1f5ed919d9 (このIDを非表示/違反報告)
名無しさん(プロフ) - 続編ありがとうございます！この作品大好きなので最後まで応援させていただきます！ (2022年3月29日 0時) (レス) @page50 id: 62c0e911ba (このIDを非表示/違反報告)
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