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小島「おねーさん大丈夫？」
「大丈夫にみえるならその目は節穴や」
小島「とりあえず歌いや、はいマイク」
今日の出来事を忘れるように
考える暇を与えないように
ひたすら無心で歌い続けた。
「明日声出るかな」
小島「ははっカスカスやな〜、よし帰るか」
「せやな、帰ろー！」
小島「...あ、ちょっと待ってこっちから帰ろ」
そう言って私の視界を邪魔するように立って
いつもの帰り道と逆方向を指差す小島。
「えっなんでよ〜遠回りやん、って、」
ひょっこりと小島を避けて覗いた先には
可愛いあの子と太陽のような笑顔で
手を繋いで歩く彼がいた。
小島「...だから言ったやん」
「〜ッ実際見るとくるもんがあるな」
小島「泣けばいいやん」
「なんで？泣かんよ、うざいやろ泣いたら」
気がつけば背の高い小島の腕の中にいて
爽やかな匂いに包まれていた。
小島「うざいとかないし、我慢せんほうがええで」
「なんなん、なんでそんな優しいんよ〜...」
一度栓が抜けてしまえば
涙は全然止まらなくて
彼の笑顔が好きだったこと
友達のままでいいなんて言い訳しなきゃよかった、なんて本音も一緒に溢れ出す。
泣いている間ずっと優しく
背中をポンポンと叩いてくれていた。
「...ありがと、もう大丈夫」
小島「それはよかった」
「でも恥ずかしいわぁ、小島にこんな姿見られたん」
小島「そ？俺は嬉しいけど」
どう言うこと？と彼の方をみると
視線がバッチリと合って
その大きな瞳から目が離せなくなった。
小島「俺しか知らんAの姿やん、俺以外の誰にも見せんといてほしいわ」
「へっ？」
小島「次の好きな人、俺でいいんちゃう？」
...もしかしたら次の恋は
私もヒロインになれるかもしれない。
fin.(座礁人魚)
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作成日時：2022年3月22日 22時
