逆転クオリア（短編集） (ページ8)

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小島「てか放課後カラオケいかん？」

「えー最高、いく」

小島「よっしゃ決定な」

昼休みの終わりを告げるチャイムが鳴る。

席に戻ろうとしたとき、またチラリと窓の外を見た。
さっきまで見ていた場所では花々が風に揺れている。

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福本「なあA〜教科書わすれてん、見せて！！」

「おーまたかよ！笑」

さっきまであの子に見せていた笑顔とは
また少し違った笑顔。

「もう！落書きせんといてよ！」

福本「ごめんて、Aノリいいからさ〜笑」

「いやいいけどさぁ笑」

彼が落書きしたページをバレないようになぞる。

福本「てかさずっと思ってたんやけどさ」

「ん？」

福本「好きな人とかおらんの？」

「...え？」

なぞっていた手を止めて
彼の方に視線を向けると目が合って
胸がギュッと締め付けられた。

福本「いやAって可愛いし面白いのに彼氏おらんやん？あ、こじけんとか？仲良いよな！！」

「あー...いや、おらんよ」

さっきまでの高鳴りや高揚感なんて
一瞬で冷めて、彼の言葉の裏まで読めてしまう。

「そっちこそあの子とどうなん？笑」

福本「え？！えー、いやぁ、実はさ付き合うことなってん」

授業中にいうことちゃうけど
と付け加えている彼の声が遠く聞こえる。

きっと恋バナを振ってほしいのだと
汲み取ってした話題で
カウンターを食らうとは思わなかった。

「そっか、おめでとう」

福本「相談とかのってくれてありがとうな、ほんま。いいやつなんやからはよ彼氏つくり！」

「おー」

なんて残酷なセリフだ。

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