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「あの、先輩佐野くん見てないですか」
先輩「えぇ？俺に聞く？Aちゃんにいつも引っ付いてるやん」
「ですよね〜...ありがとうございます」
あの日から3日たった。
しかし彼が講義に顔を出すことはなく、
会えない日々が続いていた。
当たり前が当たり前じゃなくなると
寂しくなるのは必然で。
私の隣に空いた席が
必要以上に広く冷たく感じる。
「なんかあったんかな...」
先輩「あ！おった！Aちゃん！」
「先輩、どしたんですか？」
先輩「いやAちゃんのワンコ、体調崩して寝込んでるらしいねん」
佐野くんは一人暮らしだ。
体調を崩したことを聞いて
私は先輩に住所を教えてもらって
学校を飛び出した。
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ピンポーン
佐野「...はぁ、い」
「これ冷えピタ、あと薬。おかゆとかやったら食べれる？水分とって！」
佐野「...え？！Aちゃん？！なんで、」
「先輩に住所聞いた、いいから寝といて」
玄関に出てきた彼を部屋に押し込んでベッドへ寝かせた。
そしてキッチンを借りて簡単におかゆを作り
薬と共に彼の元へ運んだ。
「一口だけでも食べれそう？」
佐野「Aちゃんが作ってくれたんやもん。全部食べる！」
「いや無理させるために作ったんちゃう」
佐野「んん！おいしー！ありがとう」
いつもより少し赤い顔で
でもいつもと変わらないニコニコ笑顔で
ご飯を頬張る姿に心臓がギューっとなった。
「...好きやわ」
佐野「...え？！」
「あ、口にだしてもうた」
佐野「いや、え？！ちょっと体調悪いの忘れるんやけど？！」
さっきより顔を赤くして
焦る彼を見てより一層気持ちを自覚した。
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作成日時：2022年3月22日 22時
