＊ ページ14
.
梅雨はどうしてこんなに長いんだろうか。
彼と会えない日が
夜空を見れない日が
どんどんとまた私を水の底へ沈めていく。
「まだ明けへんのかな...」
透明のビニール傘越しにみる空は
重くどんよりとしていてやっぱり息苦しい。
それでも家の窓から見上げるよりは
幾分かマシなように感じた。
正門「Aちゃん？」
「えっ」
正門「やっぱり！久しぶりやなぁ1ヶ月は会ってなかったもんな〜」
「なんで、まだ梅雨...」
正門「それはお互いさまやろぉ〜」
ああ、やっぱり正門くんは私の光だ。
夜空なんて見れなくても
彼がいるだけで大丈夫な気がしてくる。
正門「梅雨明けはまだやけど、今日はなんか会える気がしてんなぁ」
「なにそれ笑」
正門「でも実際会えたやろ！運命的やな〜」
運命、か。そうなのかも。
「...私ね、正門くんといると楽しいよ。横にいると安心でる。だから叶うならずっと一緒にいたいよ。」
正門「なんかあれやな、告白されてるみたい」
「好きなように受け取ってもらってもいいよ」
正門「...じゃあ告白ちゃうことにしよ」
それは彼の答えなんだろう。
少しの間だけでも私に光を見せてくれたことに感謝しつつ
込み上げる悲しみを抑えて話を続けた。
「ん、それでいいよ、なんかごめん困らせた」
正門「そうちゃうよ？」
傘を持つ私の手に彼の手が重ねられた。
驚いて正門くんの方をみると
視線がばっちりと交わりそらせなくなる。
正門「Aちゃん、俺Aちゃんのこと好きよ。やから夜空見ること忘れるくらい一緒におってくれへん？」
「っ！なにそれ〜...」
正門「ふふっ、告白は男からしたい派なのよ正門は」
水の底から抜け出して
次は甘い彼との幸せ日常に溺れる。
私を照らす、私だけのお月さま。
fin. (見上げてごらん夜の星を)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 179人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「Aぇ!group」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作成日時：2022年3月22日 22時
