８８． ページ39
「──絶対に許せない！ 俺だって、入学したときからずっとグルッペンのことをみてたのに！ 下山、お前さっき、グルッペンを好きだと自覚したのは昨日だとかいったな。俺は、出会った初日に自分の気持ちを自覚してたんだぞ。お前が好きになるよりずっと前から、俺はグルッペンのことが好きだったのに！！」
成瀬が絶叫する。俺はすかさず立ち上がり、成瀬との間合いをはかる。グルッペンもそろそろと立ち上がり、俺のうしろに引いて、距離を取る。
「下山……お前のことは絶対に許さない。グルッペンのことを……ずっと独占して……好きだと気づいたのだってつい昨日なくせに。ずっとこいつのことを振りまわして……グルッペンもグルッペンだ……よりによってこんなやつのことを好きなんて……どうかしてるとしか思えない。許せない、許せない、許せない！！」
成瀬はそういって、ポケットから携帯を取り出す。スマホをタップして、おそらく、例の女に連絡を取ろうとしているのだ。
……呼吸を整える。大丈夫だ。やれる。間合いはじゅうぶんにとらえた。そうだ。今だ……！
「今すぐこの場で、あの女にお前の住所も連絡先も全部送りつけてやる！ そうすればおしまいだ！」
──成瀬がそう叫んだ瞬間、俺は勢いよく、成瀬にタックルをした。
成瀬がうめく。衝撃で、成瀬の手からスマホがこぼれ落ちる。大きな音を立てて、地面に転がり落ちたスマホを取り上げようと、成瀬がすかさず動く。俺はそれを許さず、力まかせに成瀬のことをおさえこんで、叫ぶ。
「──グルッペン！」
そう合図した瞬間、距離を置いて待ちかまえていたグルッペンが携帯を拾い上げて、今度は意図的に地面に叩きつけた。さらに念入りに踏みつけて、確実に壊す。成瀬は呆然とそれをみていた。
ボロボロの鉄くずになった携帯と俺たちをみくらべて、成瀬は死にかけの魚のように口をパクパクとさせている。
「……お前、パソコン持ってないんだったよな？」
グルッペンのその言葉に、成瀬がはっとする。グルッペンは成瀬のその反応に気をよくしたのか、俺のよく知る、意地の悪い薄笑いを浮かべてつづける。
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エス(プロフ) - あわさん» すごくうれしいですありがとうございます……！文だけでなく、grpn以外のキャラクター、オリキャラたちまでお褒めいただいてすごくありがたいです。私が書き出したかった青春の空気感が伝わったようで、すごくうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 腐女神だぜ☆さん» うれしいご感想ありがとうございます！書きたいものを書きたいように書いた作品でそういっていただけるのはなによりの励みです！読んでくださってありがとうございました！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - スラカさん» ご感想ありがとうございます！！書き手の私の「grpnかわいい〜」という気持ちがあまさず伝わったようでうれしいです笑 読んでいただいてありがとうございます！ (2019年10月31日 20時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - るーかさん» ご感想ありがとうございます！そうですね、そういうことへのきっかけにもなれていたらこれ以上はないです！同性愛のテーマも案外普遍的で、どこにでもあるんだよということが伝わっていたらうれしいです。ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 倉の中の石さん» すごくありがたいご感想ありがとうございます！その気持ちが一回ぶん以上の評価として私の胸に届きました……！ありがとうございます！のたうちまわらせることができて狙い通りって感じです……（へへ…）ありがとうございます！ (2019年10月31日 19時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月21日 23時
