２４． ページ25
……まさか、そんな顔をしているとは、思わなかったのだ。
なんだか悪いことをしているような気がとたんに湧いてきて、だがグルッペンから目を離すことも、その手を解放することもできなくて、俺とグルッペンはしばらく、そのまま、みつめ合っていた。お互い、ほとんど呆然としていたのだと思う。なんといっていいのかもわからなかった。いつもの、俺らしい軽口が、なにひとつ出てこない。なぜだ。なぜなんだ……。
「下山ー！ なにしてんの！？ 突っ立ってんじゃねーよ、出番だ出番！」
──遠くからそう呼ばれて、俺はようやくはっとする。あわてて「ゴメン今行く！」と叫びかえし、グルッペンと揉み合ったせいで崩れてしまっていたはちまきを巻きなおした。
「えっ、と、あーと」
その場を離れる前に、グルッペンになにかいおうと思ったのだが、適切な言葉がなにひとつみつからず、俺はその場で足踏みしたまま、しばらくおろおろとしていた。グルッペンは、いまだ赤いままの顔にきりっと力をこめて、
「……出るからには、今度こそ一位取ってこい」
と、俺にいった。戦場に出向く部下に対して、上官が命令するように、厳しく。
「……っ、絶対取ってきます！！」
──その厳しさに、俺はグルッペンのやさしさをみたのだった。
俺の元気な返事に、グルッペンは「ふん」と鼻を鳴らすだけで返事して、さっさと自分の席に戻っていった。そのあと、見事一位をかっさらった俺は、フラッグを持ったままの状態でグルッペンのところまで突撃し、案の定みんなの注目を集めまくり、グルッペンにめちゃくちゃ怒られたのだった。
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
