１１． ページ12
「だから……、なんつーか……、あのさー。俺、うちがめちゃくちゃ貧乏でさ。俺がバイト探してんのお前知ってるだろ、お前も探してるもんな。あれなんでかってーと、うち、親父が無職で、母親は働いてんだけど収入足りなくてさ。俺も働かないとやっていけないわけよ。だから……、恋愛とか、ちょっと冷めてるっていうか。んなことしてる時間も、余裕もねーし。両親のことみてっから期待とかもないし……。だから告白とかされても困るだけっつーか。いや、お前がどうかは知んねーよ。けど俺はまあ、そういうのうっとうしいなって思うことが多くて……、うれしくないわけじゃないけどさ。重たいじゃん。そういうの。さっきの早川だってさ……、……グルッペン？」
語りながらふとグルッペンのほうをみたら、グルッペンは両の目を大きくみひらいて、おどろいた顔で俺のことをみていた。今の話のどこに、そんな顔をするポイントがあったのか心当たりがない俺は、わずかばかり動揺してしまう。
「な、なんだよ、その反応」
「いや……」
グルッペンは半ば呆然とそうつぶやいて、思い出したようにタピオカをひとくち飲んだ。それからまた、ぼけっとした顔で俺をみる。みたことがない顔だ。なんとなく気の抜けた、……気を張っていない、素の顔って感じがする。
クラスの女子がみたら、間違いなく一発で惚れちゃうだろうなっていう、顔だった。なんというか、……男にこういう形容が正しくないのは知ってるが、……かわいい。
「お前のこと、誤解してた、……と思う」
グルッペンはぽつり、とそういった。「なにを」と俺は問いかえす。
「最初、話したとき。バイトの申請書もらったときだ。俺、お前につらく当たったろ。けっこう」
「あ、ああ……うん。まあ、確かに、いわれてみればちょっと、トゲトゲしてたかな」
「あれは、わざとそうしたんだ。お前に嫉妬したから」
「……嫉妬？」
グルッペンはそういって、ぎゅっと顔に力を入れた。後悔……だろうか。そんなニュアンスのある表情だと思った。いずれにしてもやっぱり、みたことがない顔だ。俺はさっきから、とてつもなくレアなものを目にしているんじゃないだろうか。
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エス(プロフ) - ミオさん» いや私も書きながら「かわいいな……」と思ってました……（真顔）。ありがとうございます！続編もよかったらよろしくお願いいたします！ (2019年10月21日 22時) (
レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 豆鳩さん» ありがとうございます＞＜ｗｗｗ高校生らしいお話書けていたらいいな！と思うので天使といっていただけてうれしいです！高校生って天使のようなかわいさ！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - ロアさん» ありがとうございます！ｗｗｗしかと受け止めました！！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
エス(プロフ) - 浅葱さん» わーありがとうございます！！grだけでなく主人公までかわいがっていただけてありがたい限りです……！続編に移行しましたので、よかったらそちらもよろしくお願いします！ (2019年10月21日 22時) (レス) id: 59009a1e5b (このIDを非表示/違反報告)
ミオ - グル氏可愛いなぁ..!続き待ってます！ (2019年10月21日 21時) (レス) id: 4083773df2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：エス | 作成日時：2019年10月20日 2時
