154話:ヒメ様と兄と疑問 ページ13
。
あれから、春ちゃんは安心したように私の
ベッドで寝ている。
『無防備にも程があるよ…』
「A…。」
髪の毛を撫でればサラリと逃げていく…。
今はゆっくり休んで欲しい。
私は手元のタバコに手をかけようとしたら扉が開き
短めの白髪が目に入る。
「A…？」
『マイキー…どうしたの？』
マイキーは私の後ろの時計を指す。
日付は”6月19日”東卍の結成日だった日…。
タイムカプセルを埋めた日…
マイキーが言いたいことが何となくわかった。
『…屋上、行こうか？』
「話が早くて助かる…」
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。
屋上に行けば1番高いタンクにマイキーは乗る。
私もその隣に行く。
「皆、開けてると思うか…？」
『そうだね…開けてると思う…』
懐かしいなぁと思う…。
もう戻ることはないと思う。戻ろうとも思わない。
「………そっか」
『…次は何を考えてるの？何が辛くなった？』
マイキーは何かを噛み締めるように笑う。
辛い時ほど笑うからすぐに分かる。
「Aには適わねぇ…」
『…ずっと一緒にいたんだから』
”兄妹である私にはなんでもお見通しだ”と
頬を包み込み付け加えれば…
”少し皆が気になった”と返される。
「Aは…？」
『東卍で過ごした時間は…楽しかった。
皆私に良くしてくれた…孤独から救ってくれようと…あの時は嬉しかったでもエマとか…けー君の事があって…結局”一般論に過ぎないんだ”ってわかった。皆やっぱり消えちゃうのだから…今ので後悔してない
私は今が1番幸せ…
春ちゃんと居て…マイキーもいる…。2人が私の手からこぼれ落ちない限り幸せだから…』
”ごめんね、私は皆に会えなくても今が幸せ”
そう言えばマイキーは私を抱きしめる。
”皆が悲しむだろ”そう言えばマイキーはポツポツと話し始める。
「エマみてぇになって欲しく無くって…
何回も考えた…けどお前だけは無理だった…
1人にしたら消えそうで傍においておかねぇと…
だから安心した…」
『昔…私に日向歩けなくなっても着いてくるか？
って聞いたことあったのに…？』
その答えにマイキーは苦笑いを浮かべて
”そうだけどな…”と答えられる。
私はマイキーにデコピンで少し弾いておいた。
「ほんとに馬鹿な妹…持つと大変…」
『…やだなぁ〜、何処までも兄に
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作者名：すばる | 作成日時：2021年10月23日 2時
