きゅうじゅうさんわ！ ページ19
『あン時、街の人を傷つけなかったのは私の少ない理性がちゃんと働いてたからだと思う。我慢したよな私、島１つ沈めそうなくらい身体が力を持て余してたのに』
そうやって怒りで満ち溢れた私を、また、普通に戻してくれたのも地面に横たわる“アイズ”だった。
それが何より悔しくて悲しくて。
『私、スナイパーだからさァ。銃使うの得意だけど、あの日から触れてねーの。今でもあんまり見たくねぇし』
やっぱり、私にはアイズがまだまだ必要だったんだなって痛感させられて。
『なーんかスゲェ悲劇ぶっちゃったけど、まぁ、いるよな、こういう奴って』
「…」
『私と同じく天竜人によって恋人を殺された奴。私と同じような海賊に家族を傷つけられた奴』
私の身に起きたことは別に滅多にないことなんかじゃないと思う。
『そんな恐怖から一般人を守るのが海軍で、それを従えるのが天竜人……面白いことこの上ねェよ』
「…」
『あ、別に嫌味じゃねーからな？立派だなって思ってるし』
仮に、いくら非力な一般人を守りたいっていう正義の心があったって、クソみてぇな天竜人の下に付くなんて死んでもごめんだ。
それで、ここの海兵にアイツらのことを好きな奴なんて医ねェだろ。
それでも忠義を誓うなんて、覚悟が違う。
『話戻すけど、この世界では特別じゃないこの行為は、私にとっても同じように、いつでも息をするように容易くできることだったわけ』
「…」
『私にとって、いつもと違ったのは、ソレをされる側だったってこと。それで、天竜人たちにとって違ったのは、したのが“A”だったこと』
過保護に、強く育てられたのもあってからかなァ。
初めてだった。
倒せた敵を倒せず、救えた命を溢してしまったことが。
『下民が上の人間に虐げられるのは当たり前、逆らうわけなんかないって思ってたんだろうなァ。バカな奴ら』
「…」
『私は地の果てまでだって追い詰めて２度と生まれてきたいなんて言えねェくらいに痛めつけてやんのに』
でも、力なんて有り余ってんのにいつだって1番守りたい奴を守れないんだ。
『なァ、私のこと、軽蔑した？』
見た感じ、皆んなの感情に、軽蔑は含まれてない。
けど、驚愕、と…とにかくめっちゃドン引きされてんな。
『…ま、いいけど』
『忘れてそうだから言ってやる』
『私は世界一の大海賊、ゴールド・ロジャーのクルーにして史上最強の海賊、』
『Aだ』
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 379人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ONEPIECE」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
無礼物(プロフ) - Rin'lanさん» ありがとうございます〜！！続きは修正中だから非公開にしてて、修正できたものから公開するようにしてます…！申し訳ないです。かなり遅いんですけどちまちま更新するので良ければ気長にお付き合いください！ (3月6日 5時) (
レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - 楽さん» ありがとうございます！！続きはあるんですけど手直し中でボロボロの状態なのでもう少しお時間頂きたいです…！すみません！楽さんのコメントでそのことをどこにも書いてないことに気づきました…！！書いておきます！本当にありがとうございます！ (3月6日 5時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
Rin'lan - めっちゃ面白いです！…続きってどうやって見るんですか？ (3月4日 15時) (レス) id: 3767ef094f (このIDを非表示/違反報告)
楽(プロフ) - シリアスな場面？で夢主ちゃんよく生きてきたなって思ったり他のところでのキャラとの絡みとても面白かったです。続きが気になるのでパスワード？教えて貰ってもいいでしょうか？お願いします！これからも投稿頑張ってください！ (3月3日 22時) (レス) id: 70f56a71ba (このIDを非表示/違反報告)
無礼物(プロフ) - 名無しさん» うわー！ありがとうございます！！すごく嬉しいです〜！ (2月28日 1時) (レス) id: 64341fbe5a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：無礼物 | 作成日時：2018年2月18日 22時
