わたしたち結婚しました #2 (ページ7)

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時間帯のせいか人通りがまばらな道を空を見上げながら歩く。どの国に行っても、やっぱり都会は空が狭いなぁ。

宿舎を出てすぐはメンバーたちからの連絡が鳴り止まなかったけど、諦めてくれたのかスルギオンニの「何かあったらすぐに助け呼んでね」という一言でぴたっと連投がとまった。

ふと前方にカップルが手を繋いで歩いているのが目に入る。
…いいな、ああいうの。わたしもれんくんと…ってこらこらA、なに考えてるの…！

邪な考えを振り払うように首をふるふる振って、ウギョルハウスへと急ぐ。早歩きで進んでいると思ったよりも早く着いたそこには見慣れない車が一台横付けされていて。
じーっと見てみるけど人が乗っている気配はない。

もしかして、ファン…？良心的なファンならまだいいけど、サセンだったらどうしよう……

ドクドクと胸が嫌な音をたてる。スマホをぎゅっと握りしめて恐る恐るウギョルハウスに近づいて、ひとまずれんくんが運転してくれた赤い車に身を潜めた。

深呼吸をして顔だけ玄関を覗くように出すと、そこには見たことがある大きな背中が佇んでいた。

「れん、くん？」

△▽△

あれから少し。なぜかわたしとれんくんはマグカップを片手にソファーに座っている。

わたしよりもずっと身長が高いれんくんなのに、なにかをお願いする時はその高い位置から首を傾げて上目遣いをする。

わたしはその視線にめっぽう弱いみたいで、だめ？と首を傾げるれんくんに思わず了承してしまったのだ。…っていうのは言い訳で、少しだけ、ほんの少しだけ、れんくんにろくに挨拶もできずにソミオンニにウギョルハウスから連れ出されてしまったから、寂しかったっていうのが本音。

なんで寂しかったのかはわからない、けど。

あたたかいコーヒーを飲みながらぽつりぽつりと会話をしているこの空間がなぜかすごく心地よくて、わたしは思わずれんくんの肩に頭をこてんと預けてしまった。

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サセン：ヤラカシと同じような意味。もちろんいいファンではない。