わたしたち結婚しました #2 (ページ4)

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マネージャーに自宅まで送ってもらって自分のベッドにどさっと腰掛ける。案外自宅とウギョルハウスは離れてなくて、忘れ物があれば父親に車を借りて取りにいける距離ではある事に今更気がついた。

明日は夕方から音楽番組の収録。それまでオフなわけだけど、何しよう。出かけるには時間が足りないし家にいるには長すぎる。
昨日、というより、ついさっきまではAちゃんと一緒にいられると思っていたからなんにも予定がない。

…一人って、こんなに暇なもんだっけ。

当たり前だと思っていたのに、たった二日間Aちゃんと一緒にいただけでこんなにも寂しく思うなんて。

この気持ちがなんなのか分からないほど子どもじゃないしバカじゃない。

きっと、一目惚れだったんだ。

「は〜〜〜、まじか……」

今が大事な時期、今が大事な時期、なんてデビューが決まってから今まで腐るほど言われてきた。そんなもん俺だってわかってる。

でも自分の気持ちには正直でいたい。それが俺の本心だ。

そうと決まればやることはひとつ。まずはAちゃんの事を徹底的に調べ尽くす！

手始めに、と俺はスマホでYouTubeを開いた。検索する言葉はもちろん「Red Velvet A」
うわもうサムネからして可愛いやつじゃんあの子なんでこんなに可愛いの？はぁ、と思わずため息。

……と、YouTubeを見始めてからおよそ30分。前髪が邪魔で邪魔で仕方ない。
お気に入りのヘアバンドを画面から目を離さずにまさぐるけど、定位置になくて。

ん？あれ？としっかりYouTubeは一時停止して辺りを探すけど見当たらない。…そうだ、ウギョルハウスだ。

時刻は21時すぎ。明日は昼には起きればいい。

俺は立ち上がって父親に一瞬車借りる、と声をかけてウギョルハウスへと向かった。