△34 切腹できる程度に好き ページ35
「……Aちゃんは、本当はそんなこと、言う子じゃないよね」
信じられない、と思った。
まだそんなこと言える？
わたしだったら無理だ。
善逸はまだ、わたしを信じようとしてる。
「Aちゃん。
俺の耳はね、ひとの心の声まで拾えるんだ」
誰だって嘘だと思うだろう、わたしだって思う、だけど善逸と長い間こと暮らしてきたわたしは、記憶が全部つながって、信じざるをえないんだ。
「Aちゃんが嘘をついたのはわかってる……
さすがに理由までは聞き取れないから、そこは口で教えてくれない？」
「…い……言えない」
だって呆れられる、愛想つかされる、きみの恋人やめさせられる。
「知らないの？
俺はきみを愛してるんだよAちゃん」
こんなにひとの心の声が聞こえてよかったと思ったことはない。
Aちゃんに会うまで、気味悪がらない相手はいなかった。
俺は今生まれてはじめて、自分の耳に感謝する。
「言ったでしょ。
俺はきみのために腹をかっさばく覚悟をとっくに決めてるんだ、今さら退ける理由はない」
ああ。
我妻善逸がすきだ、と思った。
我妻善逸がすきだ、いっつも逃げるのを最優先にしてて、鬼狩りとしたら使い勝手は最悪で、浮気性で、こんなに情けない男を他に知らないけど、わたしは。
「……ひどいこと言って、ごめん。
ゆるして、ください。
わたしのこと、いやにならないでください」
今しがたつっ返した、善逸からの贈り物を、また返してもらう。
言っとくけど、わたしだって、ずうっと心の声聞こえてるのを隠してた善逸に問いつめたいこといっぱいあるんだからね？
「あはは、ごめんごめん」
って、まじで聞こえてるじゃん。
ああもう、わたしは、心から願うよ。
「善逸の恋人でいさせてください」
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なーこ - ほんっとにこのお話大好きです！！定期的に読みたくなってまた読みに来ました！！！！最高です！！どの作品よりも好きです！こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございます！！！ (2022年12月12日 20時) (
レス) @page47 id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
めがね - この作品何回読んでも何回もときめくから不思議だと思います。好きです (2022年10月18日 1時) (レス) @page47 id: cb7157b0f2 (このIDを非表示/違反報告)
クロイルカ - あっ、_:(´ཀ`」 ∠):ｸﾞﾊｯ (2022年8月25日 17時) (レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
カノカノ(*´∀｀*) - 元々、鬼滅の刃の作品はあまり、見ないけど、私が見てきたなかで、1番好きです！他の作品なども、頑張って下さい！ (2021年4月10日 15時) (レス) id: fb067314f3 (このIDを非表示/違反報告)
Links - はーーーい！499を500にした(いちおー)女の子のLinksちゃんだお☆........すいませんふざけました。とってもいい話ですね！僕は感動しました。それで感動しまくって発狂してたら親に煩いと怒られました(笑)他の作品も楽しみにしています！ (2020年5月7日 0時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：間宮 | 作成日時：2020年2月16日 19時
