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△16 言え、その口で ページ17

「いくら美人でも、そんなに性格が悪くっちゃ駄目だよね。そのセリフ、アンタの男に聞かせてやりたい」



「聞かせたところでなんも思わねえよ。こんなわたしだって知ってて、知っててわたしを選んでくれてるんだから」




ほんと……ひとの心を暴けるような耳をもってるくせに、どうして、こんな女を選ぶんだろう。



ケンカも飽きてきたし、ちょうどいい、どこかの家の井戸をかりて、バケツに水をいっぱいに汲むと、思惑に気づかれるより先に、頭からぶっかけてやった。



「あースッキリした」




「これからデートなのに!!!」って化粧のはがれた顔を覆うその子に中指をたててやる。





△▽





「なんか、あったの?」




お風呂をあがろうとすると、磨硝子の向こうから問いかけられた。



「……Aちゃん、元気、なさそうだから」



ゴソゴソという衣擦れと、わたしをダメにするやさしい声音が聞こえてくる。


「いろいろ、あった」


「そっか」



善逸がそれ以上踏みこもうとしないのが、うれしい反面もどかしくて、戸を開けた。



善逸の手を引っぱって、お風呂場に連れこむと、ハダカで抱きついた。



「ヒョエッ」って善逸が鳴き声をあげるけど、構ってられない。




「愛してる、って言って」


「い、いま!!??」


「そう。今すぐ。ここで」



なぐさめてよ。
傷ついてるの。



「……あ、あいしてる」




裏返りそうな声、まだお湯に使ってもないのに熱い胸板。おそるおそると背中に這わされる、骨ばった男の子の手。



「もっと」


「あいしてるよ、Aちゃん」




あぁもう何もいらないや、と深く息を吐いた。

△17 健全な思春期男子→←△15 アツい風評被害



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なーこ - ほんっとにこのお話大好きです!!定期的に読みたくなってまた読みに来ました!!!!最高です!!どの作品よりも好きです!こんな素晴らしい作品を作って下さりありがとうございます!!! (2022年12月12日 20時) (レス) @page47 id: 9b97fff7dc (このIDを非表示/違反報告)
めがね - この作品何回読んでも何回もときめくから不思議だと思います。好きです (2022年10月18日 1時) (レス) @page47 id: cb7157b0f2 (このIDを非表示/違反報告)
クロイルカ - あっ、_:(´ཀ`」 ∠):グハッ (2022年8月25日 17時) (レス) @page47 id: dc34629a9d (このIDを非表示/違反報告)
カノカノ(*´∀`*) - 元々、鬼滅の刃の作品はあまり、見ないけど、私が見てきたなかで、1番好きです!他の作品なども、頑張って下さい! (2021年4月10日 15時) (レス) id: fb067314f3 (このIDを非表示/違反報告)
Links - はーーーい!499を500にした(いちおー)女の子のLinksちゃんだお☆........すいませんふざけました。とってもいい話ですね!僕は感動しました。それで感動しまくって発狂してたら親に煩いと怒られました(笑)他の作品も楽しみにしています! (2020年5月7日 0時) (レス) id: 6a54b9078c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:間宮 | 作成日時:2020年2月16日 19時

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