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伊野尾くんに避けられ始めてから2週間経った。大学内で見かけることはあってもすぐに逃げられてしまうし、なんなら俺と被っている授業に来ていない。
こんなに長い間伊野尾くんと会話をしないのは知り合ってから初めてだ。他の友達ができたわけでもないようで、見かける時はいつも1人だ。
伊野尾くんのことを好意的に見ている人は多いのだから彼がその気になれば人はたくさん集まってくるだろうけど、俺だけでなく他の人たちのことも避けて、話しかけられたくないオーラを出しているように見えた。
最初こそショックもあって影から伊野尾くんを探すだけだったが、いい加減避けられる理由も知りたいし、何より日に日にやつれているような彼が心配でならない。
今日こそは見つけたら少し無理やりにでも話がしたい。そう意気込んでいた。
伊野尾くんは3講が最後だったはずと思い、俺は次の授業をサボって待ち伏せすることにした。確実に会えるように、講義室の前で。
しばらくして授業が終わり伊野尾くんが一番に教室から出てきた。俺に気付くと驚いた顔をして、すぐに顔を逸らして逃げようとしたので慌てて腕を掴んだ。
「待って。お願い、話がしたい。」
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