[イナＧＯ]私を裏切ったこと後悔してる...？いや...後悔してもらっては困るかな。

〜第五十二話〜　　　「...前にも似たようなことがあってな。」 ページ21

。＋＊。＋＊神童side。＋＊。＋＊


Aは強かった。

驚くほど。


山菜が持っているカメラに録音されていたもの、写真。


南沢さんや剣城はわかっていたようだ。


狩屋はAに抱きつき、宥めているようだった。


余程強い絆で結ばれていたんだろう。


その直後、Aは倒れた。


すぐに円堂監督が駆けつけ、鬼道コーチは救急車を呼んでいた。


こうなることを予測していたのだろうか。


慣れているようだった。


救急車が到着し、Aが運ばれた後、監督達に尋ねてみた。


すると、監督は、


円堂「...前にも似たようなことがあってな。」


と、言い軽く笑っていた。


鬼道コーチは、険しい表情だった。


俺達はすぐにでもAの所へ行きたかった。


でも監督達が許可を出さなかった。


霧野「......。...?...神童...?」


俺は気がつくとグラウンドの方へ入っていっていた。


そして、最後にAがたっていた場所までくると、腰を下ろした。


俺は何てことを。


取り返しがつかないことをしてしまったかもしれない。


自然に涙が溢れる。


何で信じてやれなかったのだろう。


俺は地面に手を置き、空を見上げた。


もう厚い雲はどこにも無かった。

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