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第54松 ページ4

A目線



「A!」



「…一松?」



特にすることも無く、ただぐでーっとしていると一松が現れた。



その表情は嬉しい気持ちを表したようだった。



一松は少し息を切らしながら嬉しそうに口を開いた。




「A…2人だけの…世界に行こう」



「…え?」



「この日記で僕たちしかいない世界を創るんだよ、いいと思わない?」




淡い紫色の日記を取り出して、ペンを走らせようとした。



待って、私たちだけの世界…?



他の皆はどうなるの…?




「ま、ま、まって!!」




「…なに?」




「ほかの皆はどうなるの!?」




「他はこのままだよ、僕たちだけが新しい世界に行くの。だからこの世界とはさよならなんだよ」




「え…」




「あ、そうだ。この世界とさよならする前にこれ見てよ」




一松は何もないところから1人の青年を取り出した。



一松の腕に抱かれている青年は黄色いパーカーを身に包み、静かに眠っていた。



見覚えのある人物に私は思わず絶句した。




「十四松…!?」




「包丁で刺したら動かなくなった。まぁ僕たちからしたら邪魔でしかないんだけどね」




そう言うと一松は動いていない十四松をその場に放り投げた。



そして次はピンク色のパーカーを着た青年が現れた。



十四松と同じく一松の腕の中で深い眠りについたように意識がないトド松がいた。




「ト、トド松!?なんで!?なんで!?なんで!?」




「なんで?って…邪魔じゃん」




「じゃ、邪魔!?」




私は怒気で今まで腕に絡まっていたツタを引きちぎり、足に絡まっていたツタも引きちぎると、一松の元へ詰め寄った。



湧き出る憤怒と共に私は怒りの目を一松に向ける。



久々に歩いたせいか、少し歩き方がぎこちなかったがそんなものは気にしている場合ではない。




「邪魔!?よく言うよ!自分の弟を 殺 しておいてそんなこと言えるよね!この人 殺 し!」




「へぇ、いつから僕に反抗するようになったの?僕はそんな風に調教した覚えはないよ?」




「煩い!十四松とトド松を返して!」




「ふーん、一松様に向かって随分生意気な口のたたき方するんだぁ…」




「一松なんか…一松なんか…!!」




私は心の中の何かがブチンと音を立てて引きちぎれた気がした。



もう自分では怒りのコントロールは出来ないと思ってしまった。



そしてその直後、私は部屋中に響き渡るような声でこう叫んだ。



 


「大っ嫌い!!!!!」

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設定タグ:おそ松さん , ヤンデレ , 一松   
作品ジャンル:アニメ
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ふじいろ - 良すぎて涙出てきた完結おめでとう (2021年4月2日 18時) (レス) id: b0ac4dc4e8 (このIDを非表示/違反報告)
天城 美依(プロフ) - レミリアさん» ありがとうございます!! (2018年3月26日 11時) (レス) id: 6a5ae3df9e (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - 完結おめでとうございます! (2018年3月26日 11時) (レス) id: 3f2839ebb0 (このIDを非表示/違反報告)
天城 美依(プロフ) - 殺松さん» 教えて下さりありがとうございます!今初めて気がつきました(苦笑)ありがとうございます! (2018年1月29日 18時) (レス) id: 6a5ae3df9e (このIDを非表示/違反報告)
殺松(プロフ) - あの、バットエンドの最後のセリフが「アイテル」になってますよ! (2018年1月29日 16時) (レス) id: 79a3e216e9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:天城 美依 | 作成日時:2017年12月5日 23時

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