第四十六話 ページ3
アニメを見始めた頃から、不思議に思っていた角を持つヒロインが
今、私の目の前にいる。
「おかえりコナンくん。…あれ、お客さんですか?すみません、今父は出かけてて…って怪我してるじゃないですか!」
彼女は慌てて私に駆け寄ってきた。
「大変!すぐ手当しなくちゃ。コナンくん、上から救急箱持ってこれる?」
「うん!すぐ持ってくるよ!」
江戸川コナンくんは部屋を出て上へと階段を登っていった。
「頬にも傷が…これ、濡れティッシュなんですけど少し顔を拭いてもいいですか?」
「すみません…お願いできますか?」
目を閉じると、傷口に優しくティッシュを当てて拭いてくれた。
「救急箱持ってきたよ!」
「ありがとうコナンくん。えっと消毒は…あったあった。それじゃあ消毒失礼しますね」
頬にひんやりした感触を感じる。
そういえば、消毒液はこんな匂いだったな。
「消毒終わりましたよ!どっちの絆創膏がいいですか?」
ヒロインが差し出して来た絆創膏は、面積が広い四角形の絆創膏と、それに兎のイラストが施された絆創膏だった。
「…これを」
もちろん無地の方を選んだ。
「はい、わかりました…よし。できましたよ!次は足と手ですかね」
「そっちは自分でやります。何から何まで申し訳ないです…」
「いえいえ!気にしないでください!」
「…ところで、お姉さん。どうして路地裏で倒れてたの?」
コナンくんは眼鏡を光らせ私にそう言った。
「…それが、わからないんだ」
瀬田の家で、酒を飲んで酔っ払って寝た事までは覚えている。
だが、そこからどうにも思い出せない。
「…お姉さん、名前は?」
「名前…?古谷……あ…」
思い、出せ…ない。
苗字はわかるのに…なんで。
「…もしかして、わからない?」
「っ…そんなはずは」
「記憶喪失…ですか?」
どうして
わかるのに
わかるはずなのに。
なぜ、思い出せないんだ。
「…私、は……古谷…」
裁縫が趣味で…小学校の先生をしていて…。
「…なんで、名前だけ思い出せないんだっ…!!」
頭を抱える。
「私は…」
誰なんだ。
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yu-kun(プロフ) - まだ見ていただいてる方へ。アカウント変えて続き書いてます。よろしくればプロフからどうぞ。 (2023年4月5日 4時) (レス) id: 7bcd0f2da7 (このIDを非表示/違反報告)
美月 - 「続き」じゃなくて「終わり」になってるから続くのか心配です....見たいです。作成さんも都合があると思うのでそこは首を長くして待っておきます!更新をが楽しみです (2022年6月24日 11時) (レス) @page46 id: c0ec2f5f77 (このIDを非表示/違反報告)
さねみん推し(だが渋い槇寿郎も好き) - 続きがとても気になります!更新楽しみに待ってます! (2021年5月2日 18時) (レス) id: c50ca7ded5 (このIDを非表示/違反報告)
よる - 感情がリアルで凄くドキドキします!続き楽しみです! (2020年6月17日 9時) (レス) id: 68950930bb (このIDを非表示/違反報告)
名無し - わー!続きが気になります!更新楽しみにしてます(^^) (2020年3月18日 5時) (レス) id: 1e13ba2df3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/
作成日時:2019年10月6日 16時