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第三十九話 ページ41

あれから、女性は顔を真っ赤にし店内を出ていった。

私達はここに来ていたお客さんと店員さんに謝罪し、女性が払わなかった代金も一緒に払い

私達も店を出て家へと帰宅した。

その間、私達は終始無言だった。

家に着いた途端、とお…零は悲しそうな顔をしてこう云った。



「ごめん」



どうして謝られているのかがわからなかった。

さっき、零は私を助けてくれた。

それなのに、何故。

零は私に謝る。

そんな悲しそうな顔を

なんで



「零」



気が付けば、私は零を抱きしめていた。

同時に、私の目から涙が零れる。

零は体をビクリと一瞬震わせたが、そのまま私の身に委ねる。



「…零」



もう一度、彼の名前を呼ぶ。

そうすると、零も私を抱きしめてきた。



「ありがとう」



零の髪を上から下へ

流すように撫で、耳元で呟く。



「…っごめん。僕は…君を守りたかったのに。君が、君が髪を引っ張られた時、予想出来たはずだ。最悪の状況を考えられたはずなんだ。それなのに、僕は、君を傷つけた」


「零」


「それに、周りの人にも迷惑をかけずに解決する方法があったはずなんだ。君に代金を払わせることも。それを、防げたはずなんだ…」


「零。私の顔を見ろ」



零の肩においていた顔を離し、零を見つめる。

零は下に顔を伏したまんまだから、零の両頬を掴み、無理矢理零と顔をあわせる。



「私は今、どんな顔だ?」


「…涙を流して、笑って、る」


「おっと、涙には触れないでくれ。…まあ、なんだ。笑っているだろう?私は零がした行動に怒ってなんていない。むしろ、嬉しかった」



零に向かってにっと笑ってみせる。



「ありがとう、零。助けてくれて。大切だと言ってくれて嬉しかった」



零は一瞬目を見開いたかと思ったら

また、私を抱きしめた。

さっきより、強く。



「ごめん」


「まだ謝るのか?ごめんなんて、聞き飽きたよ」


「ほんとに、ごめん。…ありがとう」



零は私に擦り寄るように顔を肩にぐりぐりと押し付けてきた。

私もまた、零の頭を撫でる。

その弾みで見えた、零の首の数字には気づかないふりをして

ただただ

愛する人を

抱きしめた。

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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( >Д<;) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:yu-kun | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/  
作成日時:2019年3月10日 14時

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