第三十三話 ページ35
「可愛いなぁ」
そう呟き、零は私の頭を撫で続ける。
「Aは正直で…優しくて…綺麗だね」
ふわっと優しい笑みを私に向ける零。
これは、零なりの言葉なのだろうか。
離れていかないっていう、気持ちなのだろうか。
「ごめん…、気を使わせた…。どうも零が来てから情緒が不安定でな…。涙脆くなってしまったようだ」
私を抱きしめる力がより一層強くなった気がした。
「昔のことに、浸りやすくなって…これじゃあダメだよな…はは…」
「ダメじゃない。昔があるから、今があるんだ」
零のその一言が、私の胸にストンと落ちる。
そうだ
あの経験を経て、私は今ここにいるんだ。
「昔に浸ったっていい、それを咎める人は誰もいないんだから」
「そ、うだよな。ありがとう、零」
体を離して向き合い、お互いに笑い合う。
これだったんだ。
私が欲しい言葉。
零は、私が欲しい言葉をかけてくれる。
「本当に、ありがとう」
「ああ…。今日はもう遅い。そろそろ寝…あ」
「…零、どこで寝るんだ……？」
難題が現れた。
「僕はソファーで寝るよ」
「いや、ソファーで寝かせる訳には…。…そうだ、着いてきてくれるか？」
「ああ」
リビングを出て二階へ行く。
私の部屋を通り越し、一番奥の部屋の扉を開ける。
「この部屋、亡くなった父の部屋なんだがもう使わなくてな。一応当時のまま残して置いたんだ。掃除もちゃんとしていたからこのまま使えるはずだが…どうだ？」
「僕が使っていいのか？」
「もちろん。せっかく部屋が残っているんだから使わないとな。エアコンも好きに使ってくれ」
「…助かる。ありがとう」
「うん。…それじゃあ、おやすみ」
「おやすみ、A」
零は部屋に入り、私も自分の部屋へと向かった。
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ぷぅ(プロフ) - はい、大好きな作品で何度も繰り返し読ませていただいてますし、これからも繰り返し読ませていただきますね(#^.^#) (2020年9月19日 23時) (
レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» そう言って頂けて幸いです。忙しさを理由に小説を書けていない事、申し訳ないです…。私の小説のためにコメントしてくださってありがとうございます。まだ好きでいてくれてありがとうございます。ぷぅ様、これからもこの小説をよろしくお願い致します。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - いえいえ、違うかもしれないですけど大好きな作者さんが頑張って書いてくれた素敵な作品をもし盗作されたらと思うと悲しいので( ＞Д＜；) (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
ぷぅ(プロフ) - プロフの名前はくまたそです。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: b4f5c0261e (このIDを非表示/違反報告)
yu-kun(プロフ) - ぷぅさん» これから確認し、内容次第作者様の方にご連絡差し上げようかと思います。わざわざありがとうございました。 (2020年9月19日 23時) (レス) id: 60a3e99319 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：yu-kun | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/yyyh/
作成日時：2019年3月10日 14時
