～Secret Shared house ～【合作】 (ページ8)

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7話. ページ8

狩野裕樹side

実を言うと、森に来たのは初めてでは
ない…というのは胸を張って言えるような
ことではない。

但し、『何にも囚われない』、
ニュートラルな状態で来たのは実は初めて
だったりする。

初等部前半くらい━まだスカートにも、
祈りにも違和感を感じなかった頃。

森に来て妖精様のパワーをもらいに来た。
ブルーシートの上で座禅を組んで微動だに
せず…とは行かなかった。なんせ子供
だから。

先生たちは微動だにせず、緩やかな風に
吹かれているのを、みんなで『すごーい』
なんて言っていたものだ。

その５年ぐらい後━中等部入って、同じ森に来た。

その時は〈俺〉で、スカートは履かなきゃ
いけないからその下に体育着のズボンを
履いて行った。

やっぱりブルーシートの上で座禅を
組んだ。もう前みたいにはしゃぐことは
なくって、静かに風を感じていた。

ちょっとしてからだったか、軽い棒で
叩かれたような感じがした。(状況から
察するに木の枝だと思う。)

「女の子なんだからそんなみっともない
ことしたら妖精様に失礼でしょ！」

体育着のことだった。

あの箱の中にいたら、俺は「女」のまま
飼い殺されたと思う。

いや、ある意味飼い殺された方が幸せ
だったのかもしれない。

「あ、あの…」と言われ「はいっ！」と
思わず返事をしてしまった。

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