37話 ページ38
狩野 祐樹side
大学からは近くなったんだけど、やっぱり
電車は乗らなくちゃいけない。
だけどこんなに人がいるなんて聞いて
いない!
どうやら数少ない都心直通の電車らしく、
否が応でも乗る人が多く結局満員電車が
完成するという算段らしい。
遠いところから通学する中高生、お仕事に
向かうスーツの大人、朝帰りなのか首元に
赤い跡を残す女の人…多種多様な人たちが
一つの空間に詰められている。
いつのまにか頭が女の子になっていた
〈私〉はそんな中、座席をゲットできずに
パズルゲームを始めた。
あと数駅…というところに短パンの裾から
何か薄ら冷たいものが入ってきた。5つの
点が丸く配置されているのがなんとなく
わかって、さらには一つ面積の広い感覚が
ある。
間違いない、手だ。
「あの─ムグッ」
『やめてください』という前に口を塞がれ
言葉を発せなくなってしまった。
どうしようかと悩んでいる間に太ももを
なぞられる感覚があった。
「──ッ」
気持ち悪い、ただそれだけしか頭に
なかった。私は触られていないもう片方の
足でその人の足を踏んづけた。
「イッテー!」なんていう無様極まりない
声でその人は言うと、さっきまで無関心を
決めていた周囲がギョッとしてこちらを
見る。
「あ、痴漢されました!」と私が言うと
スーツの大人が犯人を取り押さえ、年下
(だと思う)中高生の女子たちが「大丈夫
ですか?」「次の駅で降りましょう。」
などと私に群がる。
みんな見て見ぬ振りしたくせに。
電車が次の駅に止まると、私は高校生に、
犯人はスーツの大人数人に降ろされ
事務室に運ばれた。人身事故による遅延の
お知らせが構内に響いていた。
----------------キリトリ線----------------
二日目から哀れな目に遭う狩野氏。
シェアハウスの外での話になってしまい
ました、申し訳ないです!
3人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
めめろん(プロフ) - らーちゅんさん» (`・-・´)ゞ (2020年10月11日 0時) (レス) id: 731b2d57ca (このIDを非表示/違反報告)
らーちゅん(プロフ) - ようやく書けたorz (2020年10月11日 0時) (レス) id: fdfafae651 (このIDを非表示/違反報告)
めめろん(プロフ) - らーちゅんさん» まーちゃん寝た???(((( (2020年10月10日 23時) (レス) id: 731b2d57ca (このIDを非表示/違反報告)
らーちゅん(プロフ) - え() (2020年10月10日 23時) (レス) id: a7e867b227 (このIDを非表示/違反報告)
めめろん(プロフ) - らーちゅんさん» らーちゅん、まーちゃんにテンプレートの書き方教えてください(((( (2020年10月10日 23時) (レス) id: 731b2d57ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ