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No.39 ページ8

つ「…………あの」


司「っ、牧野!!!!!!」




ずぶ濡れの道明寺が私に気づいたその瞬間、抱きついてきた。




司「…………さぶい……!!!」


つ「ちょ、ちょっと!!!!」




私は道明寺の腕を振りほどく。その後落ちた傘をすぐさま拾い上げて。




つ「いきなり抱きついて、何考えてんのよ!!!」


司「……まぁ、とりあえず無事で良かったよ」


つ「えっ」


司「心配したんだよ!!!事故ったんじゃないかと思って!!」


つ「あ、いや……」


司「遅刻の理由を聞かせてもらおうか!
あ?理由次第でぶっ殺すからな!!」




ぶっ殺すって、言い方!!!!!!




つ「誰も来るなんて返事してないでしょ!!!」


司「来たじゃねぇかよ!!!」


つ「っえ」


司「実際お前、こうやってここに来てるじゃねぇかよ!」




何も言い返せなくて思わず俯いてしまう、自分。




司「お前、俺に惚れてんの?」


つ「はぁあ!!!??」




真顔でそんなふざけたこと言うヤツ、意味わかんない!!!!!私は道明寺なんか無視して帰ろうとする。




司「あ、おい待て待て待て……っへくしゅ、くしゅっ!!」




後ろでくしゃみをする道明寺、しゃがみこんで震えていた。




つ「…………あったかいお茶ぐらい、奢るから」


司「あたりめぇだ馬鹿!!!!!」


つ「っ、ムカつく!!」


司「……っとっとと行くぞ!!!!」


つ「へぇ!?ちょ、ちょっと!!!」




先々行く道明寺を前に、私は財布の中身を確認する。中身は五百円ちょっとだった。




ーーーーーーーーーー




雨はすっかり止んで、皆が傘を閉じていく。私も道明寺を追いかけながら傘を直していた。




つ「こ、ここにしよう!ここの四階!恵比寿一安くて美味しいって評判のケーキセットがあってね!」


司「やってんのかよ、ここ。つうか異様に汚ぇなこのビル」


つ「文句言わないでさ」


司「やめようぜ。こんな所でお茶するなんて俺のプライドがゆすらねぇ」


つ「……ゆすらねぇって何?噛んだの?マイジなの?どっち?」




この前のハミング遺影といい、どうも意味が分からないアイツの言う事は!!!なんて思ってたら、知らない人に話しかけられて挙句の果てに道明寺がその人の顔を殴った。

しかもグーで!!!!!

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作者名:もりのくまさん | 作成日時:2022年1月6日 9時

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